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初めての話 2 [ライフ]

さて、シリーズ化をもくろんでいる(?)、初めてのお話。

生きていれば初めてすることの連続であり、失敗があったり、発見があったり、泣いたり、笑ったり。

で、今日の初めては、初めてのバイト。

というか、結局バイトらしいバイトは、その初めてアルバイトをしたファーストフードチェーンだけだったんですが、とりあえずその6年と9ヶ月は波乱万丈だった。

でも、今生きている人生に多大なる影響を及ぼしたことは間違いありません。

初めてのバイトってことで言うとこれで終わっちゃいそうですが、そのバイトで起きた様々なアクシデントを書ける範囲で書いてみましょう。


面接を受け、採用となり、初めて店に入る。

その時の、挨拶は・・・

「おはようございます」

もう、午後1時だったけど、「おはようございます」

おお!まるで芸能界だ!なんて思ったけど、アルバイトを卒業する時には全く違和感なく言っていたな。

 

初めて店に入り、やった仕事。

モップかけ。

これがねぇ、簡単そうで難しい。先輩がやっている事と同じようにしているつもりなんだけど、私のは擦っているだけ。

先輩のかけた後はちゃんと綺麗になっている。

 

男子は厨房内で調理を行います。

調理自体は覚えることは正直、大変じゃなかったけど、絶対ネイティブには通用しない英単語の羅列のようなオーダーのやりとりと、時間内での作業スピードが問題だった。
温度とか、時間はコンピュータが管理してくれるので、ひっくり返すとか、引き上げるタイミングはブザーが教えてくれる。

厨房内では色んなものを作っているから、いろんなところから様々な電子ブザー音が響いている。

働き始めてから数週間は家で目覚ましのブザーを聞いたりしても、身体が「止めなきゃ」とか「早く仕上げないと」とか勝手に反応したし、当時好きだった白身魚を挟んだバーガーは見たくもなかった・・・。

 

とにかく大所帯の店だった。社員とアルバイトの人数を合わせたら150人を超えていた。それだけのハイペースで人の名前を覚えることも、それまでの人生では無かったな。

となると、友人も随分増えて、考えてみれば、同世代の男女で毎週のようにファミレスとかお好み焼屋とか当たり前のように行くようになったのも、初めてだった。

 

高校2年生の夏になると、もう殆どのアルバイトとしての業務は完ぺきにこなしていた。
完全に主戦力となっていたし、8月は規定内の皆勤だった。高校生としてこれだけもらい、且つ、税金を持って行かれたのも初めてだった。

以前、アルバイトのパーティーで酔いつぶれた仲間をリヤカーで運んだ話をしましたが、他にもいろいろアクシデントとか、笑えることが沢山ありました。

高校3年生になると流石に受験もあり、アルバイトに入るペースを減らしました。
店もどんどんアルバイトを採用し、後輩達もどんどん成長しますから、主戦力だった私がいなくても店は問題なく回るんです。
で、高校3年生の夏の日、久しぶりに事務所(兼休憩所)に立ち寄ったら、社員に今日人数が足りないから2時間でも3時間でもいいから入れないかと言われて、3か月ぶり位に入ることにした。

突然だったので、洗濯しておいたユニフォームは家にあった。
名札は一目見れば、厨房での作業や接客業務などの能力が一目でわかるようになっていたが、その名札も家にある。
とりあえず、ダイモ(それとも、テプラだったかな)で名前だけ打ち込んで貼り、その他の職能シールはもったいないから貼らなかった。

店に入り、ハット(髪の毛が落ちないようにかぶる紙製の帽子)を持ってくるのを忘れた。店に行くと、「見習い中」と表す白いハットがあったので、それをかぶった。名札と帽子で知る人が見れば間違いなく「新人」だった。

数か月ぶりのバイトを楽しむように、厨房に入ると、見かけない男が声をかけてきた。年齢とか尋ねてきたので、彼の方が1歳年下の高校2年生だった。どうやら半年以上働いているが普段は平日に入る事が多いから、高校時代は土日祭日中心だった私とは殆どすれ違いだったし、夏休みも私は実質初めてのINだった。

「maeboo.さん(仮名)、〇〇は出来ますか?」と聞いてくる。〇〇っていうのは初歩中の初歩の作業だと思ってください。

「はい、出来ますよ」と答えると、彼からそれをやってと指示を受ける。

難なくこなす私を見て、ちょっと首をひねっている彼。それでも、私の方から淡々とこなし、いくらでも時間が余るので徹底的にあたりを磨き上げた。彼はその後、少しずつレベルアップした作業を指示してくるが、全部それらをこなす・・・。


カウンターの方から、声が掛る。

「あ、maeboo.、前に出てくれ!」

と社員が声をかけてくる。エプロンを外し、前に出ると、社員から「××をやってくれ」ということになる。
××というのは、当時オーダーメイドではなく、事前に作っておき、且つ10分経過すると処分する時代の中枢の仕事担当。それに伴い、出来あがったバーガー類を包む仕事もする。
さっき、いろいろ指示を出した彼はその仕事を任せられたことはなく、実際私から見てもまだまだだった。

私がその立ち位置につく。さっき指導してくれた彼に「オーダー」を入れる。
反射的に彼はオーダーを繰り返し応答するが、目はきょとん。
しばらくして、カウンター側に居た私の1年後輩(中の彼とは同い年だが、キャリアは長い)が厨房内にはいると、すぐさま私の素性を確認し始めたようだ。よかったね、先輩風吹くのはいいけど、下手な口のきき方しなくてね・・・。

 

カウンター業務をしていると、色んな注文を受けた。普通ではないものの中で一番多かったのが、メニューにも載っている

「スマイル」

これは多かったね。
でも、あまりシツコイと、いろいろ対処を考え始める。

「何味がいいですか」と言って、カウンターの端から端までの女子アルバイトをにこっと笑わせて、選ばせる。
余裕がないお客様はそれでひいてしまうが、しっかりと選ぶお客様もいた。

夜になると、色んなオーダーがあった。一番印象的なのは

「かつ丼」

ずっとかつ丼と言って女子クルーを困らせていたので、丁重に蕎麦屋までの道順を教えたがもとより酔っ払い。
女子クルーには未然で防止するけど、男に向けて手を出せば、大義名分が出来る。

交番までは何と30m

屈強な男子クルーの出番。4人で抱え上げてお持ち帰り(笑)

 

ただ、私が勤務中に一度だけ女子クルーに手を上げられてしまった時があった。
客席フロアだったので、そこまで目が届かなかった。満席状態で理不尽なことで頬を張られた。
これは非常に残念なことであの日のことをよく覚えています。

 

大学生になってしばらくすると、マネージャーの昇格テストを受けた。
店長ではなく、エリアの店舗を束ねる社員のチェックを受けるのですが、まあ当たり前のように合格しました。

合格後に初めて、マネージャー用のユニフォーム(Yシャツ、ネクタイ、ベスト、スラックス)を来て店に入る。

周りの仲間におめでとうと言われたことを覚えています。

 

店のある地域一帯の停電、非常に大きな地震、昭和天皇崩御の日・・・その瞬間、社員がいない中で私が責任者だった。

様々な確認事項、連絡事項、お客様の安全や従業員の安全の確保、昭和天皇崩御の日は連絡が入ったら各種派手な広告用のPOPを外したり、明るいBGMを止める、喪章など手当てをした。
これらのことは間違いなく、今の仕事(全く畑違いだけど)にもいい勉強になったと思う。

 

どうしても小銭が足りなくなるときがある。特に消費税がらみで1円玉が少なかった時、どうしても営業中に両替に行かなくちゃいけない。でも、銀行がやっていなかったり、必要な1円玉が集まらないときがある。

その時はどうするか・・・。

店はあるビルの中に入っている。実際、そのビルの殆どがファーストフード店なのだが、一角だけオーナーが経営する、ぱっとしない店を構えていた。
そこに行き、店番している旦那さんか奥さんに声をかける。

「どっこいしょ」と立ち上がり、奥から何かの菓子箱の空き箱に1円玉だろうが、他の硬貨だろうが、無造作に突っ込んで持ってくる。さっきも言ったけど、当時は銀行でも1円玉の両替には上限があり、2本(100枚)が相場だった。
それが、あのしょぼい風体のオーナーはいくらでも出してくる・・・。不思議なオーナーだったなぁ。

 

書いても書いてもいくらでもネタはあるけど、ちょっと長くなったので、今日はこの辺で。

 


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