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おくるひと [ライフ]

もうすぐ親の命日

法事の準備もあるのですが、なかなか眠気のやって来ないこんな夜は、あの日を思い出してみる。

と、言っても、逝っちゃったその日から数日間は怒涛の日々だったので、正直悲しむ暇も無かった。

だから、よく覚えているのは前日のこと。


病院のベッドで起き上がり、他の患者さんと同じ病院食を一日のうち2食食べていた。

パイプいすが足らず、立っていたら、ナースステーションに取りに行った。

年末のことや孫の誕生日のことを話していた。

 

嫌な予感はしていたけど、目の前で食事をしている姿をみていると考えすぎかと思ったけど、夜中の電話が鳴る前に起きて、電話がなったのか?と不安になっていると、目の前で電話が鳴った。

自宅に残る家族を連れて病院へ。夜中の病院までの道は車で5分。

数時間前まで、座って白い、堅いご飯を箸で食べていたはずなのに、もう喋る事は出来なかった。

 

それ以降は詳しく話しても、・・・・なので、電話で連絡した遠方の親せきが朝一番の新幹線と飛行機で集まってきて、昼前に一番遠い親戚がやってくるのを待って逝った。

 

悲しい、さびしい、どうしようと思うかもしれないが、心の中で覚悟は出来ていた・・・と思っていた。

本当だったら、いつ何があってもという状態を乗り越えてきた。

だから、あまりさびしい思いをさせない為にわざと沢山の仕事を与えてくれたのだろう。

まず、一番に思ったのはこれだけ集まった親戚一同をどこに泊めるのか?

ホテルを手配するのも一つの方法なんだけど、田舎の親戚連中はこういう事態にそういったことはあまり考えない。

案の定、「雑魚寝」で結構と言っている。

我が家、兄の家、車で一時間の叔父の家に振り分けをまず行った。

 

その後、考えたのが食事。

寿司を頼むことに。結果、基本的に親戚一同の当面のことを私が担当することとなった。

葬儀関係は兄貴があたることだったけど、まずはおふくろを家に連れて帰り、それから業者を選定しようと思った。

病院には週番で運んでくれる業者さん(=葬儀屋)が入っており、当然選択する権限はこっちにあるけど、とりあえず自宅まで連れてってもらうまではその週番の業者にお願いしようとした。

おふくろより先に一度自宅に戻り、受け入れの準備をし、再び病院へ。

おふくろが10日ぶりに自宅に戻った。

で、その業者さんが妙に段取りよく、葬儀用の各種マニュアル・パンフを用意していた。

兄貴としてはそこに頼むか否か決めてもいなかったけど、業者さんは当然のことに事を運ぼうとしている。

よくよく聞いてみると、積立金を積んであるので業者としては当然、自分たちが葬儀を受け持つと思っている。

そう、自分の葬式代を故人は積み立てていた訳で、遺族はそれを知らなかった。

たまたま週番で呼んだ業者さんが、電話番号と名前で登録してあったデータから即準備を始めていた。

もし・・・・・もし、週番が違う業者さんだと思ったら、正直ゾッとしてしまう。費用が相当変わっただろう。


不謹慎だと思わず、自分で積み立てている人は、積み立てていることを遺す人に知らせるべきだし、送る側の方は聞き方もあるだろうけど、しっかりと事前に話し合う方がいいかもしれない。なんなら、このブログの下手したら失敗談になる事例を出してもらって、聞いてみるのも手でしょう。

業者さんが入れば、後はトントン拍子。先方さんは慣れたもんで、選択項目を次々とこちらに投げかけてくる。こちらはそれに答える。それによって、祭壇とか花とか・・・・が決まってくる。


田舎の親戚は、基本的には葬儀を自宅で行うと考えているので、その時も私たちにそう進言してくる。

ただ、こんな狭い家では到底無理だ。(でも、一度この家から送りだしたこともあるんですけどね)

田舎の叔父たちが、どれ位の参列者が来るのか?と尋ねてくる。

兄と私が仕事関係で合わせて300は・・・と言った段階で叔父たちには理解できなかったようだ。

確かに、母親とはあったことのない連中が殆どな訳だ。

そういう私も仕事上で何度も通夜・告別式に参加しているけど、祭壇に飾られている遺影の人物に直接お会いしたことは通算でも両手で数えきれる程度だ。

それで、叔父たちもセレモニー場を使う事を了承してくれたし、実際やってくる参列者を見て自宅だったら大変なことになったなと後で言っていた。


その何人やってくるかわからない参列者の数。

葬儀業者によって、「返礼品」の用意の仕方が違う。

お茶など、ある程度の期間使えるもの…お茶などが多いので、実際に使った分だけ請求されるという業者は良心的で、何人来るかわからないという際は悩まず安心出来る。

それに対して、事前にいくつ用意するか?と聞かれるパターンがある。

余らしても、仕方が無いので間違いないと思われる数字を提示し用意してもらう。

通夜・告別式当日に用意できなくても、後日追加で購入は出来るので、参列できずに香典だけ預かっている自分の会社の連中の分はあとでまとめて会社に発送して、余りの無いようにコントロールしました。

 

精進落としも実は悩みどころ(いや、殆ど悩んでいる暇などなく、どーんと発注はしましたが)。

頼んだ料理はどれだけ残そうが、お代金は支払います。

が、お酒の飲み物は実費というパターンが主流。

ガンガン持ってきて栓抜きでビールやジュースをあけるけど、開けた瞬間に料金発生。

飲み残しても、車でやってきた人が多く、ビールが全く飲まずに残ったとしても栓を開けたら終わり・・・。

遺族たちはそんなことを考える思考能力は無いけれど、冷静なお手伝いする方々は、そのあたりを考えて決して安くない飲み物でそれなりに大きな出費をする遺族を助けると思って、栓を開けるさじ加減は見てあげて欲しいかな。

 

通夜・告別式を終え、親戚が帰った頃でまずひと段落。

そのまでの睡眠時間は、本当に仮眠程度。

やっと長く眠ることが出来るタイミングが、休んでいた会社に復帰するタイミング。

ただし、他にも手続きでやることはいっぱいある。

金融関係とか色々。相続するものは大したことなくても、やらなくちゃいけない。

手ごわかったのが、農協。郵便局や銀行より手続きが煩雑だった。

電話の加入権も「相続」でした。

これらのことをするにはやっぱり会社を休まなくちゃいけない。


故人の戸籍謄本が必要になってくる。生まれてから、ずっと続く形で。

特に母親は、父親の籍に入ってくる訳だから、もともとの戸籍の方も辿って撮らなくちゃいけない・・。

飛行機で取りに行くなら、行政書士に頼んで費用掛けても、任せた方が使った費用とその効果を考えると良かったと思う。


そして、それらがひと段落する頃に、抑制していた悲しみと疲れがどっとやってくる。

どんなに疲れていてもマヒして感じていなかったのに、一ヶ月経つ頃に体はボロボロになっていた。

どうか、みなさん気をつけてくださいね。


実の親を送った経験は2度しかなく、これが正解か分かりません。

そして、もう実の親を見送る事もありません。

ただ、あの日を思い出したので、つらつらっと・・・。


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