体力>資金力 [ライフ]
最近、都電をよく見ている。
そのせいか、昔の事を思い出した。
知らない街を車で走っていると、突然道路を走っている電車に遭遇した。
それも、都電よりデカイ!!
その場所は・・・京都だった。
若い頃は体力を「金」に変換が出来たようだ。
旅行に行くにしても、その予算立ては涙ぐましい努力があった。
何かに贅沢をするなら、何かを切り詰めないといけない経済力。
貯金を切り崩せばいいのだけれども、若さというのは無茶も、馬鹿も、チャレンジも出来る、今となっては羨ましい時代でした。
今はインターネット等、色んな手段や宿を比較することが出来る。その結果、交通機関や宿側も内容や費用面でメリットを出さないとなかんか集客出来ない。
大学から就職直後頃、僕らは二年に一度京都に旅行をしていた。
きっかけは・・・・・・・・
「何か、美味い鍋を食べたいね」
「あ、俺知ってる」
「え?どこどこ。行こーぜ」
「京都」
「・・・・京都!?」
「そう、京都」
「行くか!」
から始まった京都計画。
但し、類は友を呼ぶ。
私の周囲には、思いつきで京都旅行が出来る程、ゆとりはなかった。
みんなバイトを今まで以上にこなして、どうにか資金を貯める。
旅費+宿泊費+食費、それに多少余ればお土産代。
学生時代、選んだ交通手段が・・・
JRのドリーム&ひかり。
体力が残っている往路は夜行バス。復路は流石に疲れているだろうから、新幹線。
但し、あの当時の夜行バスは今現在のゆったりとしたデラックスなバスではなく、普通のバス。
途中、運転手さんの交代やトイレ休憩がある。
早朝、トイレ休憩の為にドアが開けられるとピューと寒風が入り込む。
みんな信じられないだろうけど、デリケートな私には眠る事は出来なかった。
京都駅には早朝に着き、朝ごはんを食べようにも普通の店などやっていない。
通勤客向けのスタンドで眠気覚ましのコーヒーを飲んだ。
旅行の内容は省略して、復路の新幹線。
ああ、楽だと思われるかもしれないがこの割引切符で乗れるのは自由席。
早めにホームに並んで、確実に自由席をゲットする必要がある。
免許を取ったら、次は車で行くぞということになった。
頭割りすれば、高速代とガソリン代は新幹線より安かった。
但し、大きな問題があった。
運転出来るのが俺だけだった・・・。
それでも、金が掛るより体力を消耗した方がいいと思っていた時代。
少しでも旅を楽しむ時間を作ろうとして、前日夜から出発。
サービスエリアで食事をすると高いから、高速に乗る前に買出しを済ませた。
都内は渋滞しながらもワイワイと過ごし、広いサービスエリアがある浜名湖SAで仮眠をとることにした。
トランクにしまっておいた毛布とかコタツ布団を出して就寝。
とっても狭いけど、前回の高速バスより眠ることが出来た。
日の出の頃、目を覚ますと窓ガラスに水滴がびっしり。結露していた。
みんなで綺麗に拭きとって、外の冷たい空気を中に入れて出発。
京都東ICから京都市内に入る。
助手席では地図を開き、ナビをしてくれるのだが、全員京都を車で走りまわった事がない。
しばらく、走っていると突然電車が現れた。
それも地べたを走っている。
慌てて標識等を確認しようとするけど、軽いパニック状態。
この車線を俺は走っていいのか?
何て考えてしまう。
冷静になって考えれば、目の前の車もその前の車もこの車線を走っているから、問題は無いはずだ。(もし、前の車もその前の車も私と同じパニック状態だったら、全員交通違反をしていたのかもしれないが)
そして、京都の道路は渋滞が酷い。
迂回を繰り返しながら、嵯峨野に到着した。
さて、交通費を安くあげるなら翌日以降の観光に車を使っては勿体ない(笑)。
ペンションの駐車場に愛車をしまって、バスや電車の一日乗車券を購入し使い倒す!
道路も渋滞しているから、中心部の観光名所を廻るなら公共の交通機関と徒歩の方がメリットがあった。(と、当時は思っていた)
最終日、帰る時には車を出す必要がある。
それに合わせて、ちょっと離れた大原へ向かう。この場合はやはり車が便利だった。 サイキン、アレカサン、オオハラニイッタヨウデスネ。
三千院、寂光院(焼失前)を見学して帰路へ。
帰りの運転も、勿論私。
その二年後もやっぱり京都へ。
この時は京都だけでなく、神戸にも行きました。
交通機関は・・・・
新幹線。
それも、往復。
金券ショップでエコノミー切符を購入して、特に復路はグリーン車。
当時はのぞみがまだ無く、エコノミー切符の割引率も高かった。
【普通指定席の往復料金】と【普通指定+グリーン指定料金】を比較しても殆ど変わらなかった。
そして、何よりも変わったのが・・・
多少、お金を使ってもゆっくりしたいということ。
就職して、有る程度の収入があった。
何よりも、前回の運転が効いたね。
それに、その旅行以外でも車で運転したんですよ・・・神戸まで。
目的は・・・・・・・阪神競馬場。
東京から神戸に転勤した先輩夫婦に馬主席に誘われて、同僚二人と私とで車で向かいました。
その同僚二人は免許を持っています。
だけど・・・・ペーパー(泣)
彼らは優しいから、決して助手席や後部座席で眠ることなく、ガムやあめを四六時中渡してくれた。
金曜日の仕事を終えてから出発。さらに競馬場には1レース目から入ることになっていたので、結構ハード。
眠気と疲労をとりたくて、たしか養老SAにはお風呂があったはずだと思い、必死の思いで養老まで向う。
お風呂は大変気持ちよく、疲れも緩和された。
マッサージチェアの上で、寝転がっていると・・・・・同僚に起こされた。
ちょっとの間、眠っていたらしい。
車に戻って、仮眠。
あれだけマッサージチェアで眠れたのに、車ではあまり眠れず。
同僚たちはいびきをかいて寝ているが、待ち合わせ時間を考慮し予定より早めに養老SAをスタート。
ゆっくりと走ったつもりだが、一人起き、二人目も起きてしまった。
競馬を終えて、先輩の家で酒を沢山飲んだらすぐに眠くなった。
翌日も、私が運転だから早めに眠らせてもらった。
それらの事があり、体力で資金不足を補うことが出来なくなり、また多少出費が増えてもゆっくりしたいと思うようになった。
なかなか、無茶出来なくなってしまった。
国内旅行でも色々制約があり、どうしても日帰りでしなくてはいけない。
そうなると、お金で時間を稼ぐこともありました。新幹線、飛行機、レンタカー、ムーライトながら・・・など色んな手段を検討したりね。
それも楽しみだし、若い頃の無茶も今となっては笑い話。
それを肴に飲んだりね。
あの京都の三条あたりを走っていた路面電車はもう走っていないようですね。
随分と時が経ってしまいました。
コメント 0