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大物か?大馬鹿者か? [ライフ]

春、暖かくなると(今年はちょっと遅めだね)、色んなを感じる。

子供の頃は卒業があり、入学がある。

社会人になれば、異動があったりする。

コートが暑くなってきて、手に持つことが増えてきたりする。

カメラを趣味にすると、興味がなかった花たちがいつ咲くのだろう?と気になる。

一時期、競馬をしている頃が来るG1戦線へ向けて、贔屓の馬のコンディションが気になり、ノーマークだった新星や、大器晩成の馬のチェックを始める。

しかし・・・・競馬もやらなくなった。

一般レースも買っていたのは随分と前。後はG1をお祭り程度に購入する程度。

そのお祭り参加も一年に一度あるか無いか。

競馬離れしてしまった、私。今日、懐かしい馬を思い出した。

思い出した馬はマルゼンスキー。

思い出させてくれたのは、本日の阪神大賞典に出走したオルフェーヴル。昨年G1 4冠を達成した馬。

 

2011年の皐月賞・日本ダービー・菊花賞・有馬記念を勝ち、年度代表馬にもなった優秀馬。

激闘の2011年を終え、休養に入っていたオルフェーブルは今年の初戦を阪神大賞典とし、圧倒的一番人気だった。

ちなみに、オルフェーヴルが今日走っていた事はついさっきまで知らなかった。

WEBニュースの見出しに載っていた結果は2着だった。

まあ、強い馬でも、休養明けの負けはよくある事。

しかし!!!

迷走という言葉もそこにある。

気になった。

 

最近はすぐに動画サイトでレースを観ることが出来る。

そして観た。

まだ阪神大賞典の距離が長距離だという知識は残っていて、早速先まで飛ばした。

向こう正面、引っ掛かり気味に先頭を走るオルフェーヴル。

そんな前で競馬をする馬では無かったと思ったけど・・・。

 

第3コーナーで先頭のオルフェーヴルはコースなりに曲がることはせず、まっすぐ走り続ける。

機種は手綱を引き寄せるが、オルフェーヴルは直進。やがて、走るスピードを落とした。

ニュースで「迷走」と書いてあったから、「故障」では無いことは分かる。

だけど、リアルタイムで観ている人達にとっては、四冠馬の故障を思い浮かべたようだ。

実況でも、故障発生か?と言っているし、競馬場から大きなどよめきが聞こえる。

 

さて、その四冠馬で年度代表馬で、圧倒的一番人気で、今度こそ凱旋門賞を勝ってくれと期待されている馬は、次々と追い越していく、他の馬をしばらく眺めていた。気が付けば後ろから二頭目。

『ん?レースは終わったんじゃないの?さっきジョッキーが制止したんじゃないか。なんで他の連中はまだ真剣に走っているんだ?』

とオルフェーヴルは思ったのかもしれない。

『え?』

と思ったのか、

『やばい』

と思ったのかは知らないが、とにかくそれからのオルフェーヴルの走りは凄かった。

他の馬より随分と長い距離を走り、騎手の必死の制止との格闘で随分とエネルギーをロスし、スピードを落としたことでもう一度全力疾走までギアを上げなくちゃいけない。

しかし、怒られること必至という事態に気がついたオルフェーヴルの再加速は半端なく早かった。

一頭だけ追い抜くことは出来なかったが、普通に走っていれば圧勝劇だったはず。

どうにか2着には入った。昔であれば、単勝を勝ったお客さんに謝れば良かったが、最近では馬券が複雑になっているようなので、沢山のお客さんに謝る必要がある。(ジョッキーが謝っていたが)

 

そんな、強さと脆さを見せつけたオルフェーヴル君。

君の姿を見て、思い出した馬がいる。

マルゼンスキー。

中野騎手が「大外枠で賞金もいらない。邪魔もしないからダービーに出させてくれ」と言った馬。

持ち込み馬だったマルゼンスキーは日本ダービーを含めクラシックレースには出られなかった。

そんなマルゼンスキーは日本短波賞(今のラジオ短波賞)へ出走する。

 

やっぱり早かったマルゼンスキー。

オルフェ―ヴルは3コーナーで逃避気味でジョッキーが制止したが、マルゼンスキーの場合、3コーナーでハロン棒(距離を示す標識のような物)を見て、勝手にここがゴールだと思った馬だった。

マルゼンスキーは足を止めて、スピードを落とした。

マルゼンスキーは、気が付くのが早かった。

「やべぇ!」

と再びエンジンフル回転させてマルゼンスキーはゴールではその年の菊花賞馬を7馬身ちぎっていた。

 

オルフェーヴル惜しかったね。そして、恐ろしい程の掛け金が違う人たちの懐へ飛び込んだんだね。

ああ、怖い。そして、やっぱり生き物なんだね、競馬は。


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コメント 3

けんけん

maeboo.さん、こんばんは。
マルゼンスキーですかぁ
超懐かしいですね。
あの頃は、前年のTT(トウショウボーイとテンポイント)対決で盛り上がってて・・・マルゼンスキーが引退して出ることができなかった、有馬記念(今でも鮮明に映像を覚えています)は、TTの直接対決。最後にグリーングラスが追い込みましたが、プレストコウなんてついて行くのが精いっぱい。
翌年の日経新春杯で、テンポイントは骨折。
そして、3月に亡くなった悲劇のヒーロー。 わたしは、テンポイント派でしたね。(今でも、その時に買った写真集を持っています)
でも、マルゼンスキーの強さは、本当に有名でした。今でも覚えています。

by けんけん (2012-03-19 19:26) 

maeboo.

けんけんさん、こんばんは

競馬・競走馬すべてに言えるのかもしれませんが、テンポイントは特に人間の勝手さを押し付けてしまった象徴かもしれませんね。

お披露目レース
67kgのハンデなら回避すると言ったら、66.5kgのハンデ
馬にとって、解放骨折が意味するところ。
助命嘆願。そして、バケツを噛み苦痛に耐える闘病生活。
良血が故に種牡馬としての期待。
祖母クモワカは人によって「殺処分」を命令され、人によって隠匿された馬。

単なるギャンブルと割り切れないですね。


by maeboo. (2012-03-20 22:44) 

maeboo.

サンエイサンキューの闘病の時も、これ以上苦しめないで欲しいと思いました。
でも、エゴではなく怪我をした馬に生きて欲しいと純粋に思っている人達も沢山いるんですよね。

「予後不良」が当たり前と思っていた怪我も、テンポイントに対して行った治療から学んだことが活かされているとも聞きます。

by maeboo. (2012-03-20 22:48) 

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