ギンギュウジャリョウゴウザデンニジンニュウジマズ [ライフ]
随分前の事を思い出した。
車の免許を取得するために教習所に通っていた頃。
路上教習で、助手席に教官を乗せて走っていた。
後方から接近する緊急車両。
教官が一言。
「下手くそ」
何!?(怒)
教官は私が問う前に言葉を続けていた。
「あんなに喚き散らして、大声出したら、周りの車が却って混乱する」
成程、先ほどの言葉は私に対してではなく、赤色灯を回転させてサイレンを鳴らし、スピーカーから大音量を流しながら環七をカッ飛んでいく緊急車両に投げかけられていたのだった。
「あれじゃあ、こっちはどうすればいいのか分からないよ」
確かに、追い越し車線を空けようと左側車線に車線変更しようと思ったら、そっちに緊急車両が入ってきて抜かしていった。
今日、歩きでスクランブル交差点で信号が変わるのを待っていた。
遠くでサイレンと大きな声が聞こえる。
赤色灯の位置と接近スピードを考えれば、歩行者信号が青になる頃に緊急車両は進入してくるだろう。
案の定、先に歩行者信号が青に変わる。
横に立っていたお姉さんが歩き出す。向こう側からも数人、交差点内に歩行者が入り始める。
大多数の人間は待機。
間違いなく緊急車両は交差点に侵入するようだが、直進するのか左折するのか右折するのか分からない。
その事をマイクを使って言っているようにも聞こえるし、単に進入するとしか言っていないのかもしれない。
ただ、エンジン音とサイレンとスピーカーから聞こえる大声と赤色灯が接近して、交差点の真ん中にいたお姉さんは慌て出す。
走り出して、こっちに戻ってきたが緊急車両は先ほどの音に「クラクション」と「タイヤの軋む音」を重ねて右折していった。
成程、教官。
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