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キケン [ライフ]

有川浩さんの作品で「キケン」という作品があります。

もう文庫本にもなっていますね。

明け方、接近してくる台風の影響で雨音が大きい。

その雨音を聞きながら、そういや母校の高校では文化祭の頃だろうなと思い出した。

有川さんの作品「キケン」の話を書くとネタバレになっちゃいますので詳しくは書きませんが、大学の機械制御研究部、略して『機研』のメンバーの日常が描かれていて、その中で大学の学祭の事が書かれていました。

 

私がハマったドラマ・映画の説明で書いたことがありますが、自分がその作品の中にすり替える事が出来そう、共感出来そうな内容だとハマる可能性が高いようです。

例えば、「僕の生きる道」はその頃、家族が闘病中でした。「僕の歩く道」だと、身近に障がいがありながら、それと付き合い懸命に一日一日を過ごしている人がいる。「深呼吸の必要」の場合は丁度、挫折まではいかないけど、上手く行かない時期で逃げ出さないけど逃げ出したい時だったかもしれない。などなど。

『キケン』の場合はどうだろうか。

まあ、野郎どもの学生時代の話だから、殆どが共感できるようなことばかり並べられている作品になっている。

『キケン』の中、学祭で何をしたかは別だけど、自分の高校時代の文化祭もクラスの出し物で妙に気合が入って異常にクオリティの高いモノを作り上げた・・・と思っている。

素人集団が選んだクラスの出し物は演劇。記憶の中で一人だけ演劇部員はいたけど残りは素人。私も役を与えられたけど、数日だけの為に教室に舞台を造る。

大道具?になるのかな?セットのど真ん中に障子が必要で劇中でも度々開閉される。

その障子も一から作ってしまった。持ってくるのではなく木材から作り上げ障子紙を貼った。

その時は知る由も無かったが後に個展を開くまでとなる芸術肌の同級生がいて、卒業アルバムの中でも紹介されるような告知ポスターも作られて、廊下や下駄箱に貼られたが他の告知ポスターとレベルが違い、それ自体が『作品』と化していた。

後輩たちは迫る台風の中、予定通り文化祭を開催できているのかな?それとも来週だったのかな?

楽しんで取り組んでいるかな?

 

 

さて、『キケン』を思い出した理由がもう一つ。

『キケン』は機械制御研究部の略だけど、もちろん危険という意味も含ませている。

男女比率で圧倒的に男子が多い大学。その野郎どもの日常を描いており、先輩後輩の関係や教授と生徒という関係もある。

その中でハメを外す訳だけど、決して超えてはいけない線が引かれている。

危険な連中ながら、その不文律だけは守る。

最近、「バカッター」や「バイトテロ」などという新しい言葉が生まれた。

私達もやんちゃだったし、ツイッターという仕組みも無かったので今ほど目立たなかったかもしれない。

でも、『キケン』の登場人物の中で一番の危険人物が発した言葉に共感出来るって事は、やんちゃはしても関係のない人まで巻き込んでも楽しもうとは思っていなかったはずだ。

有川さんが『キケン』を書いた時点で「バカッター」「バイトテロ」などという事態を予見していたのかどうかは分からないけど、すごいタイムリーだと感じました。

学生現役世代が読んで共感するより、作品の描き方通り、あの頃を思い出す世代の人間が共感できる作品ですね。

 

 

しかし、雨脚は衰えないなぁ。


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