思い出 思い出す [ライフ]
車を運転していて、信号に引っかかり停車中。
右を眺めると、外周をすっぽりと覆われておそらく修繕中と思われる建物がある。
そういえば、ここにあった施設はなんだっけ?
ええ、今現在の建物は何か知っています。
もう15年以上前に出来た施設なので、そろそろ外壁をお化粧直しでもするのでしょうか?
思い出せないのは、それより以前の頃。
通勤通学路からは離れているので、何かを理由があってここに来ていたはず。
信号が変わり、車を走らせる。
うーん・・・。
しばらく運転していると、目の前に大きな娯楽施設が。
あ!
そうだ、ボウリング場だ。
高校時代に利用したボウリング場。
当時、第何次ボウリングブームなのか、それともその谷間だったのか分からんが私らの周囲では大いに流行っていた。
自転車で10分以内に4箇所もボウリング場があった位に流行っていた。
貧乏学生はなるべく安くがモットーなので、多少ワックスが効いていなくても、リーズナブルな店を選択する。
自動スコアが出始めた頃かな、だけどそのせいで高くなるなら手書きがいい。
最寄駅周辺がそうだったが、学校周辺にも何箇所かボウリング場があったが、その中にレッドピンチャンスというのがあって、レッドピンがヘッドピンになると館内で「●●レーン、レッドピンチャンス!」と放送される。
その際にストライクを取ると、1ゲーム無料券がもらえたのだ。そして、そのレッドピンチャンスが巡ってくる機会がけして少なくなった。まず、1回訪れると1枚は入手していたと思う。
放課後の流れで行く場合はそっちのレーンへ。
最寄駅そばのボウリング場は学校が休みの日にボウリングをする時に利用するボウリング場だった。
周辺にあるボウリング場の中では交通の便は悪い方(決して歩けない距離じゃないし、高校生はどこへでも自転車で行ける気がしていた)。そして、薄暗く、ボールの艶もない(笑)。ミリンダの自動販売機は稼働していたが、グルテンバーガーの自動販売機は永遠に故障中だった。
そうそう、ボウリング場だったんだ。
高校を卒業して、成人式の時にそばの友人宅に高校の同級生達10人近くで友人の母親の手料理をご馳走になって宴会をしたっけ。
その彼の家に行く途中、ボウリング場の閉鎖と惨状を知った。
あれ程通った場所だったけど、記憶は希薄となっていく。
私は旅行や遠出をする際に、過去に訪れた場所をもう一度行くのが好き。
大学生の頃は時間が、社会人になってしばらくすると多少のお金が使えるようになり、かつて訪れた場所に赴くのが容易だった。
小学校の修学旅行で訪れた日光。集合写真で撮る写真は大概有名な場所。
だけど、その頃買ったばかりのポケットフィルムカメラで大事に大事に撮った写真でイマイチわからない場所があった。
そこも無事に探し出すことができた。
中学校の修学旅行で訪れた京都奈良。特に京都は大学生から20代の頃は隔年で訪れていた事もあり、思い出を堪能した。
そして、子供の頃の目線で観て、記憶として残したものは、年齢を経てから見る景色とはちょっと違うことに気がつく。
街並みが変わることもあるし、自分自身が変わったこともあるのだろう。
前にも書きましたが、中学・高校・大学の頃の記憶は同級生がびっくりする位覚えている。
毎日が変化に富んだ頃であり、鮮やかに覚えている。
だけど、みんな「よく覚えているね、そうだったそうだった。」「そんな事あったね」と言うが、ちょっと最近自身が無くなってきた。
他の誰もが曖昧な記憶しかないので、私の記憶が本当に正しいか否か検証しようがないのです。
8割、9割は間違いないと自信を持って言えるのですが、その残り1割、2割について最近自信が無くなってきた・・・。
生まれてから大学を卒業するよりも長い間社会人をやっていると、凹んだり喜んだりする事があっても、あの学生時代のびっくり箱のような毎日と比較すれば平穏なもので、なかなか記憶に刷り込めない。
「あ、あれは高校2年の夏、あの時にこうだったんだよ」とピンポイントで年度まで言えることが、「うん、少なくとも今のオフィスにいるときにあったような・・・違ったかな?」なんて随分大雑把になってしまう。
だから、思い出が思い出せなくなる前にもう一度、懐かしい場所に行きたい。
あの頃持っていなかったカメラも今はある。
今度はカメラを持って行けば、もう一度行く時の記憶呼び戻しに役に立つだろう。
だけど、街は変化している。
ロケ地を巡ることがあったので、それは痛感している。
例えば「僕の生きる道」。最終話から10年。
アパートもブランコも病院も学校も無くなった。
だけど、思い出はある。形跡だってあるだろう。
よし、小学校の修学旅行先である日光。
小学校時代の林間学校、箱根。
中学時代の修学旅行、奈良・京都。
これらは行った。
高校時代の修学旅行先には・・・なんと行っていない(いや、行ったけど辿る旅はしていない)。
行くか。
SLが復活したニュースを見て、そう思った。
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