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そうだ京都、今年の冬も行こう(4)宝泉院その2 [紀行]

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宝泉院

額縁庭園

宝泉院の公式HPやパンフレット、旅行ガイドを見ても客殿より西側の庭を眺めるアングルが紹介されているが、この写真は南側を写したもの。

額縁の様に柱で切り取られた絵のような風景は、先ほど外から近江富士のような枝ぶりを拝見した五葉の松。

近江富士とは滋賀県にある三上山の事で、この宝泉院からは琵琶湖を挟んだ位置関係にある。今も昔もはっきりとしたことは分からないが、大原も山間にあるので宝泉院から三上山を眺めることが困難だと思う。三上山は紫式部も『富士』と詠んだ歴史的にも由緒ある山です。

 

 

この額縁庭園、写真を撮るならば、なるべく人が少ない・・・いや、居ない方が良い。

だからこそ、今回は京都入りして最短コースで宝泉院を目指した。京都に前泊している観光客には敵わないにしても、同じバスに乗っている拝観客には負けないぞという意気込みで来たが、多くの拝観客は寂光院か三千院を目指したので同じバスの乗客の中では最も早く到着した。

その甲斐があったのか、客殿に先客は2人しかいなかった。

この先客はご夫婦の様で南側の風景を・・・まさに最初の写真のアングルを眺められる位置に座りお茶を召し上がっていた。

という事は私は一枚目に掲載した写真を撮ろうとすると彼らの視界を塞ぐこととなる。これはダメ。実は時系列からいえば最初に掲載した一枚はもう少し後に撮影したものなのです。周りの状況を見ながらポジショニングを考え、チャンスを待つ。それももっともっと客が増えたら無理になりますが・・・。

 

ちょっと時間を巻き戻し、客殿に入るとまずは状況確認。それと同時に人が全くいない南西向きの写真を撮る。

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2人がいる事に気づきつつ、西側の全景を撮影。

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そこで気配を感じ、お寺の方が声をかけてくれる。こちらが撮影していることに気付いているようで、すぐに茶券を求めずに声をかけてくださいとのこと。やはり、このあたりの配慮は気持ちがいい。

と、ここで冷静に当面の居場所を考える。

 

先客の2人は部屋の中央部北寄りに並んで座っており、南側の庭を眺めている。もっと観光客で埋め尽くされたら話は別だが客殿にいるのは彼ら以外は私だけ。そんな状況で南北を結ぶ線上に占拠するような性分では無く、彼らの西側にスペースが空いているのに気が付く。ここからは南側の庭だけでなく、額縁にこそならないけど間近に西側の庭が眺められる。

ここでトートバッグを置き、暑い上着を脱いだ。

私が今居る場所。ちょっとイメージが湧かないかもしれない。

だから、そこから撮ろうとした南側の庭を額縁のように切り取ろうとした写真。

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1~2メートルしかポジションは違わなくても、額縁具合(?)はこんなにも違ってしまうのです。

 

ならば、西側だ。南北を結ぶ視線に邪魔にならないように望遠レンズでコントロールすれば今なら撮れる。

そう思い、カメラだけ持って立ち上がろうとすると・・・

次の拝観客が入ってきました。

もし私が同じ状況ならどこに座るか・・・。あそこしかない。

やはり彼はそこに座りました。

最初の二人はまっすぐに南側を眺め、その横に座る私も主に南側を眺めています。

そんな状況で北から南側を結ぶ線、及び域に対して最も影響が少なく、かつ庭を楽しめる場所。

私よりもさらに西側、且つ南側に彼は座りました。

だが、その場所は私が立ちあがり、恐縮しながら先客の二人の前を横切って、東側から西側の庭を額縁のように切り取ろうとすると、ド真ん中に位置する場所なのです。

これは非難ではなく、先ほども述べたように私もあの状況ながら選択しただろう場所だし、配慮の塊の結果なのです。

内心苦笑いしつつ、難しいなぁーと思って、カメラを畳に置きました。

これも人気スポットの宿命とカメラでは無く、自分の目と心で風景を楽しみました。

そんなくつろいだ様子を見て、先ほどのお寺の方が近寄ってきました。

私は温め続けていたラミネートで保護された茶券を「お願いします」と渡しました。

続いて、私の後に入ってきた男性にも声をかけて茶券を受け取っています。

 

この間も客殿の南東側では数人のお寺の方、もしくは業者の方が作業をされております。

歴史あるお寺であり、今の建物も江戸時代に再建されたものらしく、細かな補修が後世まで残す手助けになっているようです。

 

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静かだ・・・。

昨日までの年末進行や仕事納め、そして納会と慌ただしい日々が嘘のようだ。

時間が過ぎていくスピードが違う。

 

私が座っている場所から真西を向くと水琴窟がある。

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理智不二(りちふに)と名づけられた二連式の水琴窟。

ああ、そうだ。額縁の事ばかり考えていたけど、他の人にとって水琴窟を楽しみたいと思っている人もいる。

しかし、あの人(私の事)が邪魔なんだよな・・・でも仕方が無い・・・と思っているかもしれない。

少し、じりじりと移動。

 

 

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お抹茶と菓子を頂きます。

 

下調べをして行きたいと思い、来てよかったと思う場所があれば、あれ?と思う場所もある。

期待せずに訪れて、期待以上だったり、思った通りだったり。

まったく下調べなしに偶然訪れて、なんて素晴らしい場所なんだと思う事も。

今回の旅、最大の目的地であり下調べもした宝泉院。

来て、よかった。

結果的にこの日の全日程を振り返っても、最も感銘した場所。

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西側に広がる庭の名前は『盤垣園』。

盤垣(ばんかん)とは立ち去り難いという意味。

なるほど・・・。

 

隣に並ぶ、御夫婦が立ち去り難い気持ちを抑えて、重い腰を上げた。

客殿の南北を結ぶラインが空いた。

素早くカメラを拾い上げ、スライドし取った写真がこの記事一枚目の写真。

額縁に綺麗に収まりました。

 

さあ、ここからがパズルゲームになるはず。

外から、新たな拝観客の到来を感じる声がする。次のバスに乗ってきた人達か、それとも寂光院や三千院を先に見てきた人達か。

さあ、私が動けば、彼も動くはず。

 

動いた。

 

だが

しかし

 

彼は動けど、カバンは動かず。

西側のフレームの真ん中にバッグは置いたまま、彼は水琴窟の方へと動いた。

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ん、これも仕方なし。

額縁の中の五葉の松を間近に見に行こう。

 

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なるほど、京都三大松と呼ばれる事も納得(詳しくないけど)。


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