そうだ京都、今年の冬も行こう(27)圓徳院 [紀行]
ねねの道は多くの観光客が歩いている。
今日一日の中で一番若い人の比率が高くなっている。
高台寺へと続く石段を見上げても、門が見えないくらいに人が行き交っており拝観受付終了間際だが選択を求められ、高台寺の拝観は諦めるを選ぶ。
それは2012年の7月、レンタサイクルで猛暑の京都を巡った際に高台寺を訪れている。
その際に訪れなかった塔頭がある。今日はそちらに行こう。
ねねの道を歩き、その入口は見えてきた。
と、思ったらここではないか、もう少し歩いて長屋門が見えた。ここだ。
この日の最終受付は17:00(閉門は17:30)
受付周辺には数組の観光客がいるが誰も購入しようとしない。
どうやら、「どうしようか?」「入る?」と検討しているようだ。
時間がないので、失礼しますと先に拝観料500円を納めて唐門の方へと進みます。
まあ、すべてのお寺さんを巡り、すべて拝観料を納めるとなるとその興味次第では拝観料が高い・安いと受け止め方も変わるのかもしれません。
私にとっては刻まれた歴史があり、まだ自分では消化しきれていないがもう少し見てみようと思っている小堀遠州の庭がある。時は金なり、躊躇する時間の方がもったいない。
庫裏から続く方丈が見えてきました。
どうやら方丈から中に上がることが出来るようだ。
庭もちらっと見えるけど、これが遠州のお庭なのかな?
ちょっと印象と違うようだけど。
方丈に上がらさせていただきます。
この入口には戻らないので靴はポリ袋に入れて持ち歩きます。
撮影禁止なので、写真はありませんが方丈の襖絵は比較的新しいもの。
赤松燎氏が執筆中に亡くなったという遺作、「白龍の図」は見てみたかったなぁ。(普段は非公開)
さて、お庭。
方丈前、南庭。
この庭は遠州作の庭ではなく森蘊さんが指導し、庭師北山安夫氏が監修しているとのこと。
森蘊さんは重森三玲さん同様に莫大な量の庭を実測し研究を重ねた方です。
圓徳院ということで、ねねを思い、女性好みになるように年中花や紅葉に愛でられるように工夫したと案内されています。
方丈の外周を沿って順路を進みます。
方丈の北側には長谷川等伯の山水図襖絵のうち、冬の絵の部分複製を拝見できます。
桐の紋が散らばされた唐紙に松の木が描かれています。
案内によれば、普通は文様が描かれた唐紙の上から絵を描くことは珍しいこととのこと。
これは大徳寺塔頭、三玄院住職春谷屋宗園に襖絵制作を申し出ながらも許されなかった等伯が住職が留守の時を見計らい、勝手に上がり込み水墨で一気に書き上げたものと伝わっているそうです。
なるほど、桐の紋様が地にあり、絵を見るうえでちょっと騒がしく感じましたがそのようなエピソードを聞くと、襖絵も面白いですね。
さて方丈から北書院へは渡り廊下を伝っていきます。
いや、この廊下がこれまでのお寺さんの渡り廊下のイメージとちょっと違う。
渡り廊下から下を見たところ。(写真が渡り廊下じゃありませんよ)
柔らかい灯りが点けられていますが、これはねねの小径。
渡り廊下は一般路地の上を通っているのです。
そしてその渡り廊下も広いものではなく、一般家庭の廊下ほどの広さ。
不安とワクワクを感じながら渡り廊下を渡り切り、北書院へと到着します。
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