僕の生きる道 チャレンジしなきゃ [中村先生と共に生きる人々]
2003年に放映されたドラマ「僕の生きる道」
放映が終わり3年が経つが今だに僕の心に残り続けます。余命一年を宣告された陽輪学園の生物教師、中村秀雄。その教え子には様々なキャラクターがいます。
今回取り上げてみるのは・・・
田中守君(藤間宇宙)です。
彼はストレスの固まりのようでした。二年生の時に勉強で苛々した彼はつい万引きをしてしまいます。その時は学園のネームバリューで、厳重注意で済みましたが、その後進級しても螺旋階段での盗撮が杉田めぐみ(綾瀬はるか)に見つかります。
彼は精神的に追い込まれると弱いようです。
だが、この杉田めぐみに見つかったことは彼にとっていい方向へ進む契機になりました。
中村秀雄による合唱の誘いに真っ先に反応したのは歌手になることを目指す杉田めぐみさんでした。次に興味を持ったのは田中君です。最後は半ば杉田さんの脅迫で無理矢理参加させられた形になりましたが、明らかに彼は合唱に興味を持っておりました。
合唱にというより、息抜きを自然と欲していたようです。万引きで捕まり、教員室で話をしていた頃の表情から比べて、その後の彼の表情はずいぶんと変わっていきます。
その後の彼は落ち着きを取り戻しクラスのムードメーカーの位置付けを遺憾なく発揮いたします。後から合唱に参加した鈴木りなさん(浅見れいな)にへたくそと言われても笑ってあしらう余裕が出てきました。この余裕が勉強の方によい影響を与えたのは言うまでもありません。
すっかり合唱の虜になった田中君をはじめG組のみんなに最大のピンチが訪れます。
もともと進学校の陽輪学園では3年生の部活動は禁止という不文律がありました。合唱が部活か否かはPTAにとっては大きな問題ではなく、その会長であり、田岡雅人(市原隼人)の母親は合唱の活動禁止を学園側に求めてきました。
そんな矢先に秀雄が倒れてしまいます。
偶然にも担任の余命を知った生徒達は合唱どころではありません。だが、退院し自らの状況を説明した中村秀雄は合唱存続を宣言します。
但しそれには条件がありました。参加する生徒達全員が模試でA判定を取り続けるということ。それは過酷な条件であり、そんなのは無理だと思われた。だからこそPTAもその条件を飲んだのです。
この場面で田中守君は成長振りを証明してみます。
合唱の参加も周りの目をして参加できず、結局、杉田めぐみの配慮で二番目に参加しました。
中村先生がホームルームで秋本みどり先生(矢田亜希子)との結婚を宣言した時、きょとんとする3Gの生徒の中で、杉田めぐみの次、二番目にお祝いの拍手をしました。
中村先生からA判定を取り続けるのが合唱を続けることが出来る条件と言われた時に3Gの生徒達には無理だ・・・という空気が流れました。
「全員がA判定なんて無理だと思うけど。チャレンジしなきゃいけないんじゃないの?」
その後、赤坂栞(上野なつひ)が読まなかった本の話を思い出し、皆にも伝えます。
「やってみましょう ― 」
今までなら真っ先に諦めていた(と思う)田中守が最初に動いた。
それは中村先生の思いが田中守の中で生き始めた瞬間だった。
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