SSブログ

僕の生きる道 本当に怖くないの? [中村先生と共に生きる人々]

2003年が明けて静かに始まったドラマ「僕の生きる道」

丁寧に作られらたこの作品は公式HPのアクセスや掲示板への書き込みなど徐々に反響を呼んだ。

そして、僕は今でもこのドラマを大切に過ごしております。

 

シリーズで掲載しております、中村先生と共に生きる人々ですが今回クローズアップするのは中村先生の教え子の一人・・・

杉田めぐみさんです。

当たり障りの無い人生を歩んできた陽輪学園の生物教師、中村秀雄は健康診断の再検査の結果、余命一年を宣告される。

大学受験に必要も無い生物の授業は格好の内職の時間だと、G組の多くの生徒達は英語や数学の参考書を開きます。(まだ2年生だよ)

その中で、唯一と言っていいでしょう、杉田めぐみさん(綾瀬はるか)だけはしっかり授業を聞いており、ノートもつけております。

自らの余命を知った中村先生はボーっとして、前回の授業と同じ内容を始めてしまいます。普段、ちっとも授業を聞いていない連中はそれに気がつきません。気がついたのは、そう杉田めぐみさんだけなんです。

杉田さんはこの頃から中村先生の様子がおかしい事に気がつきます。

でも、逆に杉田さんの様子もおかしいです。

ちょっと前に戻りますが、希望進路の提出で大学名を記載しなかった杉田さん。二者対面の進路指導でもおとなしく、真面目そうな杉田さんは黙ったままです。中村先生はマニュアル通り(?)に英語の成績が優秀な杉田さんにそっち方面の進学を薦めます。でも、彼女は黙ったままです。

中村先生は生きる続ける決心をして、皆に病気を隠したまま授業を続けます。ですが、相変わらず生徒達の内職は変わりません。

でも、杉田めぐみさんは授業を聞きながら、胃をさする中村先生に気がつきます。我慢できなくなった中村先生は授業を打ち切り自習にして教室を出ます。心配した杉田さんは中村先生を追いかけます。授業も聞いていますが、中村先生のこともよく見ておりました。

そう、クラスの中でもっとも中村先生を見つづけていたのは杉田さんなのです。

田岡雅人君の問題で謹慎となった中村先生。杉田さんの進路指導は副担任のみどり先生が行います。しかし、相変わらず希望大学を決めていない杉田さん。何も言わない杉田さんにみどりさんもお手上げです。しかし、この話を聞いた中村先生。この頃はすっかり、生徒達のことが見えてきており、中村先生は杉田さんが大学には進まず、何かしたいことがあるのではと考えます。

みどり先生はそれを杉田さんに直接確認しました。驚いた杉田さんは、それを中村先生が言っていたと聞いて更に驚きます。いや、その時の様子は驚きより嬉しさが垣間見えていました。

でも、杉田さんはそれを認めても、何をしたいか言いませんでした。

 

中村先生とみどり先生は螺旋階段でその事を話します。

自分の夢を簡単に話したくない気持ちは二人とも理解していました。

杉田さんの事はひとまず置いておいて、二人は幼少時の夢を語り合います。

みどり先生はピアニスト。

みどり先生は中村先生は?と尋ねます。

中村先生は躊躇します。理由は笑われるから・・・。

中村先生は笑わないと約束するなら教えるといいますが、みどり先生はそんな約束できないと言います。

観念した中村先生は教えます。それはテノール歌手でした。

みどり先生は大笑い。何を歌ったのか聞くと・・・乾杯の歌。

みどり先生は思いだしたように中村先生を連れて螺旋階段を駆け上がります。体育館にはグランドピアノがありました。

みどりは乾杯の歌を弾き始めます。そして、中村先生を促します。

困りながらも中村先生は歌い始めました。

この螺旋階段のシーンはこのドラマの中でも好きなシーンの一つです。(え?関係ないって・・・)

 

そして、中村先生の謹慎は解けました。クラスにはまた問題が起きます。黒木さんの退学騒動です。彼女は芸能界に夢を見ていました。

中村先生は復帰早々、この黒木さんの問題と合わせ杉田さんの問題を解決しようと試みます。

僕に任せてくださいと言った中村先生。みどり先生は教室の後方でそれを見つめます。

生物の授業を始める前に中村先生は生徒達に話しかけます。

「夢には、勉強すれば必ず叶うものもありますが、そうでないものもあります。努力だけでなく、才能や運も必要とされるのです。そういった夢を掴めるのは、ほんのひと握りの人です。宝くじに当たる確立のほうがよっぽど高いんです。夢が叶わなかった時のことを考えてみて下さい。夢のために費やした時間は無駄になってしまうんです。ですから、いくら自分がやりたくても、どうなるかわからない夢を追いかけるのはどうかと思います。夢が叶わなかった時に、公開するのはあなたたち自身なんですから ― 」

こう言って生物の授業を開始しました。みどりも釈然としない顔つきで教室を出て行って自分の授業に向かいます。そして釈然としない人がもう一人いました。

それは杉田めぐみさんです。

生物の授業もちゃんと聞いていた杉田めぐみさん。そして、何かを感じていた中村先生に裏切られた思いだったのでしょう。

授業が終わると、早速効果が表れました。黒木愛華さんがやってきて退学届けを無かった事にしてくれと言います。中村先生の話を聞き、一時期描いた夢に踊らされるのはバカらしいとあっさり夢を捨てました。

そこにみどり先生が合流します。

みどり先生は釈然としない気持ちを中村先生にぶつけようとします。

しかし、もっと激しくぶつけてきたのが杉田めぐみさんです。怒った表情で仁王立ちし、中村先生を睨みつけました。

中村先生とみどり先生は杉田さんを屋上に連れ出して話を聞きます。

杉田さんは諦めるつもりは無いと言います。

中村先生は両親に賛成してもらっているか尋ねます。これには杉田さんは俯いてしまいます。秀雄はその後も挑発します。

杉田さんはそれに乗ってついポロッっと夢を言ってしまいます。

「私はそのひと握りの必ず入ってみます。そのために歌の勉強もするし、努力もします」

杉田さんの夢は歌手になることでした。そう、図らずも中村先生が幼少時に夢見ていた歌手です。

秀雄はその後も、夢を追いかける困難さを杉田さんに説明します。それでも杉田さんは諦めません。

「絶対になります。もし、なれなかったとしても、やるだけのことをやったと思えれば、後悔なんてしません」

中村先生は念を押してそれを確認すると険しい表情を一変して、微笑みました。

「それだけの気持ちがあれば、あなたは夢を追うべきだと思います。誰かに反対され、決心が揺らぐようなら止めたほうがいいと思います。でも、あなたは違いました」

安心した杉田さんは中村先生に何でも話します。それを聞いてあげながら中村先生は子供の頃を思い出します。

病気のことや子供の頃のこと、教会の合唱に参加したこと。そしてテノール歌手になりたかったこと。夕暮れ迫る空を見上げ、それらの事をスーッと吸い込んだ中村先生はとても素敵な表情で言います。

「必ず歌手になってください。僕のためにも。応援しています ― 」

杉田さんにとって歌手になることを初めて応援してくれる人が出来ました。杉田さんは一礼して屋上を後にします。さっきの複雑な表情をすーっと飲み込み応援した中村先生の表情はこのドラマの中でもとても印象的な1コマでした。

杉田さんは同じように歌手を目指していた中村先生と何か運命的なものを感じていたのかもしれません。

 

そして、それを見ていた、そして惹かれて行った人がいます。それはみどり先生です。生徒達にあんな言い方をして、夢を追いかける気持ちを確かめたやり方。一時期の浮ついた気持ちの生徒なら止めさせた方が良い。杉田さんのように人に何を言われようが決心が揺るがない人は夢を追いかけたほうが良い。中村先生のやり方に一目をおきます。そして、最近気になっていた中村先生。それが好意なんだとみどり先生も自覚します。

 

その後も杉田さんは中村先生を信頼してついていきます。

合唱をやりましょうと言うと、いの一番に参加します。

中村先生とみどり先生の結婚を知ると、とても喜んで拍手をします。

 

合唱にも殆どの生徒が参加するようになると、中村先生は合唱コンクールの出場を提案します。そして、話の流れで生徒達に話してしまいます。テノール歌手になる夢を・・・。

杉田さんは驚きました。中村先生もテノール歌手になりたかったんだ・・・。

 

中村先生が倒れます。

田岡雅人君(市原隼人)と赤坂栞さん(上野なつひ)が偶然立ち聞きしてしまいました。

中村先生の死期について・・・。

体育館で合唱の練習の開始を待っていた生徒達はそれを聞かされ驚きます。

生徒達は床にしゃがみこみます。

田岡君と近藤さんの妊娠騒動。赤坂さんのお父さんの会社の問題。鈴木りなさんの失恋の励まし。みな、最近中村先生の親身になっての指導を思い出していました。

そして、杉田さんは屋上での中村先生の言葉を思い出します。

「必ず歌手になってください。僕のためにも。応援しています ― 」

そう、中村先生は自分の夢を私に託してくれたんだと杉田さんは言葉の重みを知ります。

どうしようもない生徒達は黙ったまま、その場に座り込んでいました。

そんな中、立ち上がり仁王立ちをする生徒が一人。

杉田さんでした。

ドラマでは場面が変わり、病室で眠り続ける中村先生がいます。そして、窓の外から歌声が聞こえてきました。

「野ばら」

杉田さんがみんなに呼びかけたのでしょう。生徒達は吉田均君(内博貴)意外、いや、その吉田君も実際には少し離れた場所にいましたが、合唱して歌声を中村先生に届けます。

 

 

退院した中村先生に杉田さんは質問します。

「・・・先生、本当に怖くないの?・・・死ぬこと」

「はい、怖くありません」

中村先生は死ぬ事を考えていません。最後まで生きる事を考えていました。

 

 

中村先生とみどり先生が七夕の日に短冊に書いた願い事

「杉田さんが歌手になれますように」

 

先日もこのブログで記事にしましたが、杉田めぐみさんを演じた綾瀬はるかさんの記事を書きました。

女優として躍進している綾瀬さん。正直、彼女が歌手デビューするとは思いませんでした。

でも、なんか嬉しいです。杉田さんは中村先生との約束を果たしたんです。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

雨男の呟き鑑賞気分沈没 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。