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僕の生きる道 もうすぐ死んじゃうんだって・・・ [中村先生と共に生きる人々]

2003年に放映されたドラマ「僕の生きる道」

生きる道シリーズとして翌年には「僕と彼女と彼女の生きる道」が放映されました。

それから2年経ち、また帰ってきました。

シリーズ3作目にして、シリーズ完結編 「僕の歩く道」

・・・・・あれ?「生きる道」シリーズじゃないや。

「僕の」・・・じゃ、2作目が巧く行かない

「道」シリーズだね。うんうん。

さて、本題に戻りましょう。これらシリーズの原点、僕の生きる道。

主人公である高校教師、中村秀雄が余命一年と知り、自暴自棄に陥るが、叱責され、愛情に包まれながら彼は最後まで生き続けた物語。

その中村先生を取り巻く人々のクローズアップ。

今回は・・・田岡雅人君です。

田岡雅人君(市原隼人)は陽輪高校2年G組、後の3年G組の生徒であり、その中心人物の一人。

クラスメイトの近藤萌(鈴木葉月)とはかなり付き合いが進展している模様で、これが後に大問題の要素となる。

また、彼の母親は陽輪学園PTAの会長を務める久美子(銀粉蝶)であり、典型的な教育ママであり、学園に対しても圧力を加えます。

そんな母親の監視下で、彼は医者を目指します。もしかしたら父親は医者なのかもしれません。

彼は将来大学病院にて勤務すること。その為に教文大学の医学部を志望します。また秀雄なりに考え研究室の充実した国際医科大学も推すが、雅人は進路志望の面談で、

「大学病院の医者の給料、昨日初めて知ったんです。あんなに安いとは思いませんでした。もう行く気はありません。志望校は考え直しておきます。」

彼の医者志望の動機が少し垣間見えました。

 

公認なのか非公認なのかは知らないが萌との交際も付き合いを深めていく。ちょっと軽いノリの雅人に対して、萌はつい嘘を言ってしまう。

「妊娠した」

この緊急事態に雅人がとった行動は女性との恋愛経験豊富そうな久保先生(谷原章介)に相談すること。相談内容は・・・堕胎手術を受けさせること。

これを知った教師陣は同性のみどり先生(矢田亜希子)を近藤萌に確認させ、職員室に田岡雅人を呼び出します。

みどりに呼び出された萌は、呼び出しの理由が妊娠だと知り、情報を漏洩した雅人に対して憤慨します。中絶を拒否していることに対して、みどりは保護者も含めて相談しないとと持ちかけます。すると、近藤萌は驚き、拒絶します。その態度が何か変でした。

職員室では田岡雅人を囲み、彼の目前には当初相談を持ちかけられた久保が対応します。担任の秀雄はそばに立ち、やりとりを聞いています。古田教頭(浅野和之)を含めて他の教師も成り行きを聞いています。

教師の意見は一致して親と相談しなさいということ。

田岡雅人は何故、説得してくれないかと怒ります。

久保も常識的反論をしますが、田岡はしれっとしています。

こんな簡単に子供が出来るなんて思っていなかった。自分の将来が台無しになる・・・と頭を抱えだす。

とにかく、PTA会長でもある母親に相談するしかないと言うと

中絶費用なら出せる、15万円くらいですよねと言い出す。それでも、教頭先生に自分で母親に言えないなら、僕から言うと雅人は「殺される・・・」とつぶやく。

はじめ心配して聞いていた秀雄は途中から怒りがこみ上げていた。そして、タカをくくった雅人の態度に怒りが頂点に達し、雅人の胸倉に掴みかかった。その時に、職員室の扉が開き、みどりと萌が入ってきた。

萌の妊娠は嘘だった。雅人の気持ちを確かめる為の狂言だった。秀雄の腕を振り解きほっとする雅人。怒りが収まらない秀雄が対照的でした。

秀雄はこの時点で自分の余命を知っていました。命の大切さに気が付いた直後でもありました。だから、雅人の態度に我慢できなかったのです。でも、この妊娠騒動はこれで終息したわけではありません。

 

秀雄は学校に十代の妊娠についてと性感染症の資料をまとめ、生徒に教育しようと提案します。しかし、学校側は性交渉を認めることとなるので、拒絶されます。

雅人は相変わらずの生活をしています。但し、萌には愛想を尽かされています。クラスメイトの目前で萌に破局宣言までされてしまいます。

 

進路指導はそれでも続きます。田岡雅人にもう二度と妊娠の恐れのあるような事をしないと確認します。雅人はそれに大丈夫ですと答えます。しかし、それは萌と分かれたからそんなことは起きないという意味でした。秀雄はまた、カチンと来ます。雅人は塾があるから進路指導を早くしろと言い出します。かれはやっぱり医学部を目指すと言います。給料が安いからやめたと言っていたのですが、開業医の娘と結婚するという手があるのに気が付いたと言い出しました。

「医者は命を扱う仕事です。僕はもう、君に医者になることを薦めようとは思っていません。僕が患者なら、田岡君みたいな医者には、絶対診てもらいたくはありません。君に医者になる資格なんかありません。」

この言葉に雅人は教室を飛び出ます。最後まで話を聞いてもらいたい秀雄は追いかけます。階段で追いついた秀雄は雅人の肩に手をかけますが、雅人はそれを振りほどきます。その時にバランスを崩して階段から落ちてしまいます。

足を捻挫した雅人はPTA会長でもある母親に聞かれて『突き落とされた』と言いました。

教頭はそれがわざとでは無いとしても、教育指導に問題があると言います。PTA会長を恐れる古田教頭は謝罪の場を設けるまで自宅謹慎を命じます。

その日、秀雄は遅くまで一人残っていました。消しゴムで書いては消し、書いては消しながら、文章を選んでしたためていました。それは、田岡君への手紙です。もう、自分の話を聞いてもらえそうもないので、手紙で伝えようとしたのです。みどりが忘れ物をして職員室に戻ります。秀雄は書き上げる事が出来ず、その日はみどりと一緒に帰りました。この頃にはみどりには秀雄の変化が感じられていました。ですが、死期が迫っていることまで想像できていません。

 

謝罪の場が設けられました。古田教頭からは怪我をさせたことと医者失格という暴言に対して誠心誠意謝る様に厳命されていました。

秀雄は怪我をさせたことは素直に謝罪します。そして、医者失格の暴言に関して言いかけると、言葉を詰まらせます。

秀雄は顔を上げ、田岡久美子に妊娠騒動の話をしかけます。古田がすぐに制止しますが、秀雄は構わず話を続けます。しかし、田岡久美子は自分の息子に限ってそんなことは無いと信じきっています。却ってこじれてしまいました。古田は秀雄に退室を命じます。

秀雄は出て行く前にやっと書き上げた田岡君への手紙を久美子に差し出します。しかし、久美子はそれを払い飛ばしました。秀雄はそれを拾い上げ、退室します。

退室後、久美子は次は理事長に話をさせろと言い出します。中村先生こそ教師失格ではと言い出し、立ち上がり、部屋を出ます。その後ろから理事長の娘であるみどり先生が声をかけます。

「妊娠騒動は本当ですから - 」

 

職員室では退室を命じられた秀雄がいます。戻ってきた、古田教頭がこのままじゃクビになると話しかけます。

秀雄は田岡君に間違いに気が付いて欲しいと説明しますが、学校側の体裁ばかりを気にして、本当の問題に取り組まない現実に秀雄は声を荒げます。

「僕は、間違ってなんかいません! あの妊娠騒動が残した問題は何も解決されて無いじゃないですか。何もケアせずに性交渉をし、妊娠したら中絶すればすむと安易に考えている生徒に間違っていると指導して、何がいけないんですか?間違っているといってやるのが僕たち大人の務めじゃないですか!」

「命に関わる大切なことより、進学率を上げる教師のほうが正しいとしたら僕は教師を続ける気はありません!」

と言って秀雄は飛び出します。みどりは蹴飛ばされた椅子を直す時にゴミ箱に捨てられている田岡雅人君へと書いてある手紙を見つけました。

 

 

みどりは理事長に相談します。家庭では職場の話を一切しないみどりが珍しく父親の隆行(大杉漣)に相談します。拾った手紙を差し出しますが、 隆行は中村先生の処分に関してみどりの意見は聞かないときっぱりと言います。

 

理事長、古田、田岡親子の4人で面談が行われます。久美子は秀雄に対しての処罰を期待していました。

理事長である秋本隆行は雅人にまだ痛むか聞きます。足はまだ痛いと言います。でも隆行は続けます。「痛むのは足だけですか?」それに対して雅人は「はい」と答えます。隆行は静かに、雅人をみつめて言います。

「本当ですか?一般的には、、胸が痛むものですよ。嘘をついたときには」

しばらく沈黙が続きます。久美子は理事長まで何を言い出すんだと驚きますが、雅人が嘘なんですと本当の事を言い出した。突き落とされてはいない、自分で足を踏み外した事を打ち明けます。

久美子は狼狽しながらも、息子を庇う為、秀雄の暴言に関して処罰を求めます。それに対して、隆行は秀雄の処罰はしないと言います。そして、田岡雅人君へと書かれた手紙を差し出します。隆行はこの手紙の中身を読みました。雅人にこれを読めば中村先生の言いたかったことが分かるといいます。

 

夕暮れの昇降口で松葉杖姿で一人手紙を読む雅人。

『医者を目指している田岡雅人君へ

 僕は、医者になりたいという君に、お願いしたいことがあります。僕は君に、病気しか診ない医者にはなってほしくありません。患者の中には、命に関わる問題を抱えた人もいるでしょう。たった一人で病気と向き合っている人もいるでしょう。怖くて怖くてしょうがない人もいるでしょう。つまり、病気の痛みだけでなく、心の痛みも分かってあげられる医者になってほしいんです。その為には、まず、命の尊さを分かってほしいんです。今の君は、命の尊さを分かっているとは思えません。まずは、君自身の命のことを、たった一つしかない君の命のことを、よく考えてみて下さい。僕は君が必ず分かってくれると、信じていますから ― 』

雅人のターニングポイントが来ました。雅人はこの手紙を萌にも読ませます。安直に妊娠という嘘をついた萌もこの手紙の重みを理解します。

 

クラスでは合唱が始まりました。受験勉強だけではなく、何か高校時代に足跡をと思った秀雄の提案でした。杉田めぐみ(綾瀬はるか)一人で始まった練習も田中守(藤間宇宙)が加わり、その次に雅人を含む4人が加わりました。これ以降、一気に参加者が増えて行きます。

合唱の中と通じて何かを感じ始めた生徒達ですが、思わぬ問題が起きます。

塾に遅れる生徒達が出て、父兄たちが生徒達に何か言い始めました。その中にはPTA会長の田岡久美子もいます。

 

欠席者も出ながら合唱は続きます。そして、その日が来ました。

合唱は続けようという中村先生と伴奏のみどり先生が練習場の体育館に現れません。生徒達は待ち続けます。実はPTA会長を含む、父兄たちが教頭に合唱部の活動停止を要求してきました。確かにこの陽輪学園では受験生の部活動はなしというルールがあったようです。古田は秀雄とみどりにその話をしていたので、練習に現れなかったのです。秀雄は説得を続けます。塾に影響の無いように練習時間の変更等を提案します。

その時、秀雄の意識が遠のきます。秀雄はその場で倒れました。この時点で秀雄とみどりは結婚式を済ませ、先生方に余命も知らせてありました。

田岡久美子は練習場の体育館に行き、雅人を見つけ、合唱は廃部と決まったといいます。おまけに雅人が母親を「ママ」と呼んでいることがバレて、萌に呆れられます。

 

雅人は、秀雄に裏切られた気分となり、母親の言う事を聞き帰ります。また、その頃まだ合唱に参加していなかった赤坂栞(上野なつひ)も下校するところでした。昇降口で靴を履き替えようとしていた二人は、救急隊に搬送される秀雄と付き添うみどりを偶然目撃します。

二人は何が起きたか分からず取りあえず、職員室に行きます。職員室では若い岡田先生(鳥羽潤)が狼狽していました。

「大丈夫ですよね。このままってことないですよね。だって、中村先生、まだ八ヶ月や九ヶ月は生きられるって言ってたじゃないですか」

麗子先生(森下愛子)がビンタをして岡田を落ち着かせますが、その言葉を雅人と栞は聞いてしまいます。立ちすくむ二人を見つけた久保は騒ぐんじゃないぞ、大丈夫だからといいますが、担任の中村が大変なことを知ってしまい、もう帰る気にはなりません。

栞は教室に向かいます。教室にいたクラスメイト、その中には吉田均(内博貴)もいましたが、聞いた事を伝えます。

大部分の生徒が残る、体育館に雅人は向かいます。

帰ったはずの雅人が戻ってきて、萌や他のみんなもおかしいなと聞きます。

雅人は信じられないといった顔で呟きます。

「中村、もうすぐ死んじゃうんだって・・・」

 

生徒達はこの数ヶ月、変化した中村秀雄に色々な言葉をもらいながら指導を受けていました。その場に座り込み、それらの言葉の重みが、今聞いた秀雄の余命と結びつき、気が付かされました。

雅人もそうです。無気力だった中村が、あそこまで体当たりにぶつかってきた理由が分かりました。

あの手紙の一文字一文字の意味合いも更に深まりました。

 

その後、雅人は秀雄と共に成長していきます。

間違いなく秀雄の死後も、あの手紙の教えを胸に戦い続けた事でしょう。

ドラマ内では見た目も現代風な印象ですが、市原君の演技の中にちょっと古(いにしえ)のスタイルも見つけられます。

ちょっと長くなりましたが、彼の説明がそのままこのドラマの沿革になりそうです。なんせ、僕の歩く道がもうすぐ始まりますから、番宣の意味も込めて(?)。


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