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そうだ、京都へ行こう(番外) 隊士は玄関から?庭から? [紀行]

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普段から当ブログにお越しいただいている方はご存知だと思いますが、ブログ主は妄想大好き。

先日、壬生の八木邸の中を拝見させて頂いた時も、歴史の1ページのその場所にいるだけで頭の中で妄想・想像・空想のオンパレード。

但し、私は血が苦手。

邸内に入る前から分かりきっている事なのですが、いま自分たちが座っているのが殺戮現場。そう思うと血の気が引いてしまった。

八木邸訪問のことは京都訪問紀行の「そうだ、京都へ行こう(15) 壬生浪士」に書きました。

その記事内にも書きましたが、新選組については曖昧な部分も多い。

本・映画・ドラマなど沢山の作品が世に出ていますが、創作の部分や想像もあるのでしょう。

その演出が結構私たちに強い印象を与えている。

 

 

私は八木邸ガイドツアーの開始から、やや遅れて入りました。

八木邸の玄関で靴を脱ぎながら、ガイドさんとお客さんを眺めます。

この時から、私の妄想は始まっていました。

 

 

玄関から式台を経由してまず上がったのが4畳程度の小さな部屋。

玄関に入ればその4畳程度の部屋全てがお見通し。

ここで家人が生活することはないでしょう。


その奥には6畳部屋。手前の4畳部屋との間に障子がありますが、見学のためフルオープンの状態です。

私は遅れて入った為、6畳部屋に座ってガイドさんの説明を聞きました。

ガイドさんの説明によれば、暗殺事件の日、その6畳部屋で平間重助と輪違屋の糸里が寝ていたと言います。


一番奥の部屋、庭寄りの10畳部屋。ガイドさんと多くの見学客がその部屋にいます。

庭側に芹沢鴨と菱屋女房(妾)のお梅が寝て、屏風を挟んで手前(南側:玄関側)に平山五郎と桔梗屋吉栄が寝ていたと言います。

 

これら3つの部屋以外も説明しておきましょう。屋敷全体のイメージが伝わればいいのですが。

八木邸の見学は部屋を反時計回りに移動して6部屋を見学しました。

玄関から一直線に見える3部屋の左側にやや狭いながら3部屋あり、土間もありました。

 

玄関→(1)4畳程度の部屋→(2)6畳部屋→(3)10畳部屋→庭側の廊下→(4)8畳位の部屋(刀傷、文机あり)→(5)6畳位の部屋→(6)4畳程度の部屋→(1)に戻って玄関から外に出ました。

イメージ湧きますかね?

 

 

さて、ガイドさんは芹沢鴨等を襲った隊士は庭から、押し入ったと言います。

その日は雨が降っており、隊士達の足音を消してくれたと説明を受けました。


たしかNHKの大河ドラマ「新選組」も庭からの侵入でした。

子母沢寛氏の「新選組始末記」では侵入経路は書いてありませんでした。

同氏は当日邸内で寝ていた幼い子供、八木為三郎が母(まさ)から聞いた事として、取材の際に教えてもらっています。彼の著書「新選組遺聞」では玄関から侵入としている。

他にも数多く作品があるが、子母澤寛氏の作品が八木為三郎氏に取材をしたこともあり史実に近い・・・・と思いたい。

ちなみに「始末記」と「遺聞」では全く違う事を書いている場面がある。「始末記」は物語化していると思えますね。

「始末記」では芹沢鴨は反撃に移ることも出来ず、最初の10畳で絶命したことになっている。かたや「遺聞」では広く伝えられているように隣の部屋に移り、ふみ机に足をぶつけて転び斬りつけられて絶命する。

最初の10畳で絶命されると、隣の部屋の刀傷が暗殺以外のときに付いたものになってしまう。これは、妄想の世界や観光面でも受け入れがたい(笑)

 

NHK大河ドラマでは押し込み時に芹沢鴨が刀を持って待ち受けていたが、あのドラマについては参考程度にした方がいいでしょう。何しろ、源さんが銃撃してきた弾をアニメ「ルパン三世」に登場する石川五右衛門のように刀で受け止めてしまう離れ業を演じている。

まあ、脚本家があの人だから史実は相当割引に考えるべきだ。

 

 

島原の角屋で酒宴を開いていたが、そこから芹沢鴨達が八木邸に戻った。

八木邸で女たちを加えて再度酒宴を開いた説もあるが、一方「遺聞」では芹沢と平山は泥酔しておりあまり飲まなかった平間と八木邸の男が部屋まで運んで寝かしてやったともあります。

 

 

1863年9月16日 or 18日に起きたこの事件

芹沢一派はどの部屋に寝ていて、試衛館派はどのように侵入したか?

妄想開始。

 

芹沢鴨が第一次攻撃を凌いで隣の部屋まで移動できたのは?

もし庭側から侵入してくれば、真っ先に攻撃出来る位置にいるのは芹沢鴨。平山五郎が布団の上で首が切り落とされている。何の抵抗もできなかったのだろう。

今回のメインターゲットが芹沢鴨であると考えたら、違和感を感じる。

芹沢鴨が寝ている場所から離れた玄関からの侵入であれば、手間にいる平山、障子や屏風という物理的な障害物が時間を稼いだのかもしれない。

多くの作品の中で、芹沢鴨に屏風が被さってきた表現がある。

もし庭から侵入した場合、わざわざ南側(平山が寝ていた方、芹沢から見て玄関寄り)にあった屏風が芹沢に被さってくるだろうか?

玄関から突入したからこそ、勢いそのままに屏風が倒れて芹沢とお梅が寝ていた布団の上に倒れたと考えれば自然な気がする。

屏風が覆い被さった状態で、試衛館側は突きなどで攻撃を加えたのでは無いでしょうか?これによってお梅は首を斬られる。

さて、屏風を倒すと相手の動きを封じますが、実は攻撃もしにくかったのではないでしょうか?庭側に芹沢鴨はほんの僅かな時間でも抵抗を試みようとしたのでは。

頭上にある刀を取ろうとするも叶わず、手傷を負いながら庭側の廊下に逃げる。

もし、庭側から試衛館側が庭から侵入しているのであれば、芹沢も庭に逃げるはず。刀を取れなければ逃げるしかない。庭からだったら逃げきれる可能性がある。だが、隣の部屋に行った。

旧暦の9月。しかも大雨。雨戸は閉まっていたでしょう。

逃げ場を失った芹沢鴨は隣の部屋になだれ込む。そこには普段はその部屋で寝ていない八木家当主源之丞の息子、為三郎と勇之助兄弟が寝ていた。

芹沢鴨は暗い部屋の足元にある文机に気がつかず、足を引っ掛けて転倒。そこで仕留められます。

寝ていた兄弟は寝ぼけていたこともあり、何が起きたか気がついていなかった。
南隣の部屋から母親が来てから惨状を目の当たりにした。
ちなみに勇之助君は軽傷を負っています。

 

 

ちょっと待て。

私が八木邸に入りガイドさんの説明を聞いたときに座っていた6畳部屋。

そこに平間重助と糸里が寝ていた。

しかし、平間と糸里は難を逃れている。

次の部屋の平山が首と胴が離れる程の攻撃を受けているのに、何故なんだろうか?

 

「遺聞」の中で、為之助は本来は兄弟で眠るはずの部屋に女性がいて寝ることができない。母親に相談して別の部屋で寝た。それが芹沢鴨が命を落とした西側の一番庭寄り(北側)の部屋。

では、兄弟は普段はどこで寝ているのだろうか?

恒常的に新選組の隊士が寝泊りしている八木邸。玄関から見通せる部屋で幼い兄弟が眠るとは考えにくい。

となると玄関から入ってすぎう左側(西側)の部屋。この4畳か4畳半程度の部屋で普段は寝ていたのだろう。

そこに女性(おそらく糸里)が男の帰りを待っていた。その為、出張中の当主源之丞の執務室(?)に布団を敷いたと考えられる。

と、考えると平間と糸里は事件当日、この部屋で寝ていたと考えられるでは?

 

となると、10畳部屋に芹沢鴨とお梅、平山と吉栄が屏風を挟んで寝ていたかもしれないが、10畳部屋と6畳に分かれて寝ていたのかも。そして、間を仕切っていたのは屏風ではなく襖。

 

 

 

試衛館側は見張り2人を残して、実行部隊4人が突入。

一番初めてに目に入ったのは泥酔した平山が寝ている布団。

実行部隊4人のうち2人が布団の上から攻撃。さらに布団を剥いで攻撃。泥酔していた平山は抵抗できずに斬首。吉栄はよく言われているようにトイレに行っていて難を逃れる。(もしかしたら、そのタイミングで敢えて突入したのかも)

最初の布団を攻撃している2人を残して、残りの2人が屏風もしくは襖を倒して突入。

屏風(襖)ごしに布団の上から攻撃。芹沢鴨は物音に気がつき布団から出ようとしていた。多少の傷を負いながらも刀掛けより刀を取ろうとするも、攻撃がひどく庭側の廊下に出る。雨戸があり、外には出られないので西隣りの部屋から土間に降りて勝手口から逃げようとするも、文机に蹴躓き転倒。斬り殺される。

その僅かな時間の間にその他の連中も行動を起こす。深酒をしていなかった平間と糸里は家人が生活する西側の部屋のいたので危険な玄関ではなく土間に降りて庭側に脱出。

母親は二人の息子を守るため子供達が眠る部屋へ。芹沢鴨が入ってくるのとほぼ同時と思われる。

 

うん、庭から沖田総司らが侵入してくるよりスッキリする。

 

と、八木邸さんを見た印象と読んだ本、見たドラマだけで妄想しました。

私の知らない、でも世間の人ほとんどが知っている事実を突きつけられるとすぐに崩壊しそうな妄想ですが、歴史ってこれがあるから楽しい。

 

遠い昔の事ながら、今現在に繋がっている「歴史」

京都旅行でも本当に訪れてよかった場所です。

 

※あくまでもブログ主の勝手な想像です。


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