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忘れない、思い出せない、分からない [ライフ]

朝、得意先に向かう途中に見上げた空。

太陽が眩しく、空は青く澄み渡っていた。

4年前の朝、東京はどんな天気だったのだろうか?

あの日の朝、私は今日のように空を見上げたのだろうか?

 

あの時、私は得意先の目の前にあるセブンイレブンで大きな揺れを感じた。

その時以降の記憶は4年経っても薄れない。

得意先の建物の外壁が崩れ落ち、そばの会社から普段から避難訓練をしていただろうと確信出来るような整然とした避難を見かけた。

15時半頃のファミリーマートではまだ商品を買い漁る光景は見られず、私も事前に読んだ本のアドバイス通りにミネラルウオーターと固形食料を余裕で購入した。

水位が上がる運河。

普段の夜なら絶対に見る事が無い、歩道を歩く人の列。

アルバイトがやって来ない為に電気を消した大手チェーンファミレスやファストフード店。

代わりに道路沿いにある個人経営の店や住宅が手書きの紙を持ってトイレ開放を案内している姿。

主だった食料を全て売り尽くした中でフライヤーの限界まで揚げ続けるデイリーヤマザキのおばあちゃん。

やっと、到着した我が家の中がどうなっているか覚悟を決めて確認した3月12日 0時30分。

家族が避難している兄貴の家まで行った時の気持ち。

どれも忘れていない。

 

だけど、あの日の朝からあの瞬間までの記憶が少ない。

当日、外回り先で地震が発生し、歩いて家に帰るか会社に帰るか悩んだけど、会社にコートを置いてきた事、そして気温が徐々に下がってきた事もあり歩いて帰るのに会社経由の方が良いと判断した。

だからあの日の東京は徐々に春を感じるようになり、日中はそこそこ暖かく、そして晩は冷えたはず。

その程度しか記憶がない。

 

 

日常は記憶に残ることは少なく

特異な事態は記憶に残る。

 

毎日、何気なく過ごし、平穏無事に一日を終える有り難さを普段から分かっていない。

平穏を失った時に気がつく。

 

 

4年が経ちました。

直接的な被害を受けたわけではありません。

そりゃ、計画停電とか会社の倉庫や資産が信じられない状態にもなりました。

しばらく社員食堂では塩むすびしか用意できないこともあった。

だけど、どれだけ想像しても、思いを馳せても、推し量っても僕らには分からない悲しみ、苦しみ、憤り・・・を味わった人が沢山いる。

今となってはそれらを伝える事が出来ないまま旅立った人も沢山いる。

ドラマ「僕の生きる道」で金田医師がみどり先生に対して余命1年を宣告された中村先生の苦しみ、気持ちをどうやっても理解することが出来ないと言ったことと同じ。

僕にはどうやっても、無理なんだろう。

 

だけど、僕なりにできることを考える。

思い出す。

忘れない。

 

3月の声が聞こえてくる頃、ネットで色々と当時の事を思い返していた。

特に世界各国にいる今まで会った事もない友人達の暖かい気持ち。

利害関係があって、日本に対して援助を申し出た国や地域があるかもしれない。

だけど、多くの国・地域・団体、そして個人が利害関係抜きに日本を心配してくれた。

祈ってくれた。

PRAY FOR JAPAN

ヨーロッパのサッカー競技場で

デモ行進の最中、日本大使館の前で

ニューヨークの公園で

エッフェル塔の前で

インド洋の島で

日本のすぐそばの国で

 

政治や嫌悪感や利害や見返りなど無しで送られてきた気持ちは忘れていない。

被災者と同様に同じ日本人として感謝でいっぱいです。

そして、残念ながら時と共にあの時の気持ちとは別方向に隣国との関係は向かっている。

どちらかというと私も隣国との関係には思うところが強い方だと思うけど、あの時の一般市民の方々の暖かい気持ちには感謝をしているし、今の状態だっていつかどうにかならないのかと、もどかしく思う。

非常事態にならないと人は優しくなれないのだろうか?

 

優しい気持ちをありがとう。

会った事もない、見たこともない、だけど日本を心配してくれた世界中の友達にありがとう。

 

 

そして、4年が経過した。

復興は進んでいるとアピールする政府。

仮設住宅で生活をしている世帯はここ一年では大きく減っていない。

何ができるのでしょう。

 

直後、駅のロータリーにあふれた募金活動。

復興の為の増税は続いている。

世界中から義援金を頂いた。

だけど、何が復興なのだろう?

それらのお金は世界中の友達の気持ちの強さほど、被災者の方々にストレートに反映されたのだろうか?

私には何ができるのか?

 

ゴルフ場に向かう道中、ラジオで東北の方が話していた。

土曜日にラジオだから3月7日のこと。

間もなく迎える4年という節目。

彼は言いました。

あまり、厳かで仰々しいイベントではなく、観光地には観光にやってきて下さい。

食べ物の名産はどうぞ、召し上がってください。

特産品もどうぞ買ってください。

と、言っている。

 

それなんだな。

ちょっと頑張って東北へ行ってみよう。

復興とか堅苦しい事抜きに大好きなカメラを持っていこう。

ただ、時間が取れなければ美味しいものと取り寄せてみよう。

また太っちゃうかも(笑)

 

よし、そうしよう。


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