そうだ、京都行こう・・・とすると雨 (11)方広寺 [紀行]
豊国神社さんの境内から敷地続きでお隣にあるのが、方広寺さん。
言葉にして、皆様に伝えるのが難しいのですが、これほど勉強で知っている事と自分の知識とかつて訪れた記憶と今回観た事と巧く繋がらないというか、不思議なバランスというか・・・。
先程の京都国立博物館、三十三間堂を挟む交差点にある交番に歴史を感じることができる。
その交番の名前は「大仏前交番」
かつて、奈良の大仏よりも大きな大仏があった場所。
豊臣秀吉が大仏建立の際に創建されたお寺さん。
豊国神社の境内を歩いていると、方広寺さんといえば思い浮かぶ鐘がすぐに見えてくる。
今では想像もできないけど、もともと方広寺さんは豊国神社、京都国立博物館、先ほど訪れた三十三間堂がある場所を含めて更に広いお寺さんだったという。
これって、現地でスマホを操り、WEBで得た知識ですが眼で見る風景とのギャップを感じます。
今年、大阪夏の陣から400年となります。
歴史上の大事件、背景には色々あるにしてもこの鐘が徳川が豊臣討伐の理由付けとなります。
秀吉が建立した大仏は関ヶ原の合戦前に自身で倒壊します。
秀頼は関ヶ原以降に大仏再建を進め、開眼法要が近づいた頃にこの梵鐘が完成します。
あまりにも有名な文字。
国家案康
君臣豊楽
家康の名前を分断し、逆に豊臣は分断されず礼讃するもの。
これは言いがかりとも言えなくもないけど、この鐘が無くても家康はその機会を伺っていた訳で、豊臣という血を恐れていたのでしょう。
そんな歴史でかなりの頻度で取り上げられる梵鐘。
天井画を見ると、こんなに鮮やかなのですね。
何度か訪れたけど、気がつかなかった。
そして、歴史の勉強だけでは知らない、また大仏のことを殆ど知らなかった私にとってはこれからが今回の方広寺さん参拝の記憶として深く刻まれることとなります。
豊国神社さんから気がつけば方広寺さんの境内にいた訳ですが、もう観ようと思った梵鐘が目の前にあり、国家安康・君臣豊楽の文字も見えました。
その位置から鐘の周りをくるっと回ろうとした際に、前を行く別の観光客に声がかかりました。
寄付をお願いの上、どうぞ中にお入りくださいということ。
知識が少ない状況では方広寺さん参拝のメインイベントの梵鐘が外にあり、ふらっと寄って無料で拝見して、それだけだとなかなか文化財の維持が難しいのでしょうね。
だけど、具体的な「料金」が明示されておらず、小さな収納箱がある。
小銭を取り出し、前の観光客に続き、鐘楼の中へ。
釣鐘の下から見上げたりした。
その声をかけたお寺の方。
ご年配ながらも行動がとても機敏な女性。
鐘の説明も小気味よくしていただきました。
その流れで本堂へ。
見学しようとすると、先程の女性が私を追い越して、受付の中に入ります。
拝観料を収めると靴を脱いで上がらさせていただきます。
本堂に上がっている参拝客は私だけ。
受付に入っていた女性がそのままガイドさんとなります。
パンフレットももらいましたが、彼女からなめらかに説明を受けて、
盧遮那仏坐像や特別公開の吉川麗華の龍の図、昭和の火事で消失した大仏その焼け残った一部、左甚五郎の龍など。
左甚五郎の龍の彫刻が畳の上にポンと置いてある。
写真を撮っていいですかと聞くと、どうぞどうぞと。
ご本尊を含めて全て撮影OKだとか。
えええ、と驚きつつも
龍の彫刻については下から撮影すると迫力ありますよと構図まで提案をいただく。
では
しかし、あとでWEBで調べてもこの左甚五郎の作品についての言及は少ない。
いや、こうやって置いてあることの言及はあるのだが。
だけど、先ほど訪れた豊国神社、その唐門は国宝だけどそこに左甚五郎が手がけた彫刻がある。
もともとは豊国神社も方広寺さんの境内にあったと考えたら、全く接点がないわけではない。
大仏のパーツにしても(この写真は違います)、比較的ラフに置いてあります。
龍の図は写真を撮りましたが、ご本尊を含めて仏像の写真は撮りませんでした。
外に出ると、先程の女性。
やっぱり一人で全てをこなしています。
お礼を述べて・・・
そうそうパンフを見て気になったことがある。
秀頼が再建した大仏はその後地震で倒壊し、寛永通宝の材料となってしまった。
江戸時代後期に上半身だけの大仏が再建されて、これが昭和まであった。
実は私、このことを知らなかった。
私が生まれたあとに火災で失ったのですね。
昭和でも家事があったのですね、と先ほどの女性に声をかけると非常に残念そうな表情をしながら
「昭和48年3月28日に・・・・」
とはっきりとした日時まで教えていただきました。
先ほど上がらさせて頂いた本堂の入り口、そのすぐ隣に大仏殿があり、それが焼けてしまった。
自分の知識と今目の前にある風景と、若干の疑心だったりと、深く広い歴史の中のごくごく一部と考えると考えることが多い、方広寺さん探訪でした。
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