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そうだ、また京都1509初秋(3) 迷いと悟りと血天井 [紀行]

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源光庵の有名な窓。

そうだ京都、行こうキャンペーンでは2014年の盛秋と1995年のやはり盛秋のポスターに採用されています。

やっぱり、この窓の向こうに紅葉が見えると格別なのでしょう。

 

 

 

 

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角窓

別名、迷いの窓

四角四辺は人の生涯を表している。

生・老・病・死の四苦。

さらに愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦と合わせて四苦八苦。

座る位置を直します。

 

 

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丸窓。

別名、悟りの窓。

円通(えんづう)。

智慧(ちえ)が全てに及んでいる様子。悟りの境地。

迷いの窓の前に座り、その後に悟りの窓に座って自問自答する。

何かが見えてくるか・・・

小心者は次の参拝客の気配を感じ、二つの窓の前に座りたい、もしくは写真を撮りたいという気持ちを感じ、気が気でない。

一先、開山堂方面へ行ってみよう。

 

 

本堂(方丈)の天井を見上げると血天井。

足跡が見える。

重臣、鳥居元忠に伏見城の留守を任せて家康は上杉景勝を仕置ために会津討伐に向かうが、この期に石田三成らが挙兵する事は誰もが予想していた。

家康が今川の人質時代から仕えていた鳥居元忠。家康より3つ年上であり、伏見城の戦いのとき、還暦を過ぎていた。

家康が元忠に伏見城の留守役を命じた時の様子は多くの文章やドラマなどの映像で伝えられている。

歴史というのは事実が今につながっているから面白く、曖昧な部分は想像することで又、面白い。

二人の会話は一語一句記録されてはいない。

ただ、私が読んだ本では家康はうっすらと涙を浮かべながら少数の兵しか残せない事を詫びたとも言う。

40,000対1,800という兵力の戦い。元忠は少しでも西軍勢力を引きつけて主君家康が陣営を立て直す時間を作り出した。

討ち死に、もしくは切腹して果てた死体は関ヶ原の合戦が終了し、家康が伏見城に行くまでそのままの状態だった。

彼らの血は床に染み込み、洗ってもその跡は消えない。

と、言う。

現代ではニュース報道が記録されたり、そもそも殆どの人が記録が可能なカメラをスマホや携帯電話の機能として持ち歩いており、後世まで残る可能性がある。

しかし、1600年の事柄をどこまで正確に残せるのか?

伏見城の戦いでは石田三成は伏見城に火を放った。

科学的に、文献的、歴史的に血天井の事はいろいろと調べられている。

事実が分かることも大切だけど、400年以上前に思いを馳せて、想像するのも面白い。

事実を知らなくてもいい事だってあると思う。

松平家忠や内藤家長らもどのような気持ちで鳥居元忠と共に伏見城の残ったのだろうか。

じっと、天井を見つめる。

自分が怪我してちょっと血がでるだけですーっと血が引いてしまう位、血が苦手な私。

それでも、見る。

 

元忠の忠義はその血筋に流れ続けて、江戸時代、最も有名な忠義へとつながる。

元忠の孫娘は赤穂藩の大石家へ嫁いでいる。彼女の孫が大石内蔵助であり主君の無念を晴らした。

もう一度、二つの窓の前に座ります。

 

 

 

 

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何が見えるか?

 

 

 

 

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迷い

 

 

 

 

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悟り

 

 

 

 

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ただ、この場所

ここも見上げれば血天井。

方丈南側の天井は足跡が見えたが、こちらは手形。

やはり、このような状況下で悟りの境地に近づくのは私には難しい。

よし、そろそろ行こうか。

靴を履いて、外へ。

 

 

 

 

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どこも丁寧に手が入れられています。

 

 

 

 

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外から見る方丈は血天井があるとは思えない。

 

 

 

 

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こちらは開山堂。

 

 

 

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キャンペーンのポスターのような紅葉の季節にまた来たい。

真っ赤な葉っぱを窓越しに見たい。

だけど、その赤は血を思い浮かべてしまうかもしれないが・・・。

 

 

それでも、ここに来てよかった。

悟ることはできないが、いっぱい考えることは出来た。

今の自分は悟ることはできないし、悟ること以上に丁寧に考えることだと思っている。


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