そうだ京都、今年の冬も行こう(5)宝泉院その3 [紀行]
客殿の南はしまで寄って、五葉の松を眺める。
じっくりと眺める。
そして振り返ると・・
あ!ここが血天井か。
源光庵の血天井と比較すれば、おどろおどろしさは感じられないけど、やはりブログUPは躊躇。(写真に撮っているくせに)
実は今回、京都大原へ行こうと決めたとき出来れば雪が降ってくれないかなと思っていました。
降雪となれば私自身の歩行スピードは大幅に減り、思い浮かべたような範囲を歩き回ることは出来ないだろうけど、雪慣れしている地元のバスが運行休止になることはないだろうし、雪ならば大原まで行くのはよそうかな・・と思う人も少なくないだろう。
雪化粧した盤桓園を見たら、その意味の通り立ち去り難くなって、追加料金を払ってでもお抹茶のおかわりと頂くことでしょう。
でも、雪は降らず、穏やかな冬の日。
あ、ここのお庭もJRの「そうだ京都、行こう」キャンペーンのCMにも使われたお庭です。
しばらく客殿の中をゆっくりと移動しつつ、目で見て、カメラで撮る。
新たな拝観客が客殿に入ってきました。
ここがタイミングかな。
私に続いて入ってきた男性も、カメラを取り出して撮影をしているけど、私が去れば新たなご夫婦連れは『額縁』を楽しめることでしょう。。
お、坊に上がる際にちらっと見えた中庭がここからちらっと見える。
鶴亀庭園となっています。
ここでも業者さんらしき人が庭のお手入れをしていましたが、カメラを向けるとさりげなくフレームアウト。
お庭には12月29日とは思えない、柔らかい日差しが差し込んできています。
前の記事でちょっと書きかけましたが、このお寺さん、色んな所に配慮が見え隠れしている。
坊に上がる時に普通の玄関のような間口から入り、上がります。
すぐに囲炉裏の部屋があります。
その囲炉裏、昔ながらの囲炉裏ではなく、スタイリッシュな囲炉裏。
お寺という場所はコミュニケーションの場所でもあり、色んな集まりもあるのでしょう。そんなシーンに囲炉裏はいいのでしょう。
この囲炉裏の部屋があり、お抹茶や茶菓子を出すため準備をする部屋があり、さらにはトイレ。
しかし、これらのゾーンは決して先ほど居た客殿からは全く見えない位置にある。
さらにもう一つ。それらの間、ほんの少しだけ奥まった場所から淡い光が漏れている。
中を覗いてみると
どうやら、記念品・お土産品のようです。
写真では盤桓園のお庭がちょっとだけ見えます。
しかし、客殿からは入れないようになっています。
ところによっては順路通りに進むと、お土産物コーナーを避けては通れない施設もありますが、こちらには売り子さんすらおりません。気になった物があれば、先ほどお抹茶を振る舞ってくれた方に声をかけるのでしょう。
歴史や伝統と現代と現実が配慮によって、あの空間が保たれているようです。
お寺のあちこちに、細かいくらいに手が入っています。
玄関前、先ほどは急いで通り過ぎましたが、こんな風景も。
門の側を通ろうとすると、記念撮影をしたり拝観料を支払ったりしている参拝客が集まりつつあります。
やっぱり、早く来て良かった。
境内の南側にはこんなお庭も
先ほど拝見させて頂きました、盤桓園の手入れをされている業者さんの代表が作庭されたそうです。
宝楽園というお庭だそうです。
約10年前に作られたお庭だそうで、これを新しい庭と言うべきかどうか。
10年経過するうちに樹木も茂り、苔もむしたことでしょう。
この時、思い出したのが東福寺の方丈庭園、八相の庭。
重森三玲さんが庭を造った時、北側の市松模様の苔の庭。そして西側のサツキによる大きな市松模様を描いた井田の庭。
当時の写真を拝見しましたが、今観ることが出来るお庭の様子とは随分と印象が異なります。
サツキや苔の茂り具合や高さ、密度が全然違う。
庭も変化していくもの。
この宝楽園が出来てから10年。
さらに10年経ったら、どんなお庭になるのでしょう。
そんな楽しみ方もあるのでしょうね。
さあ、そろそろ次に行きましょうか
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