牝系 [ライフ]
また、競馬の話で恐縮ですが
単なるギャンブルではなく、血の系譜が大きな要素となる競馬
思い入れが強すぎると、ギャンブルとしては厳しい戦いとなる。
ただ、思い入れがなければ買えない馬援ということもあり、たまにすごい馬券になったりもするが。
牡馬と牝馬。
思い入れというと牝馬の方が強い。
優秀な牡馬は多くの種付けにより、一年に何頭もの産駒がデビューすることがある。
私が大好きだった、「アイリッシュダンス」
デビューが遅く、クラシックには間に合わなかった。
ミドルレンジを得意とし、着順よりも人気の方が先行していた。
結局、新潟のGⅢを2勝という成績で繁殖入り。
その後、私は競馬をあまりしなくなる。
彼女は7頭の子供を産む。その一頭がハーツクライ。有馬記念など勝利し、現在は種牡馬として大活躍中。
もし、その頃も競馬をしっかりしていれば、アイリッシュダンスの息子ということだけで馬券を買い続けただろう。
しかし、アイリッシュダンスの息子であるハーツクライの産駒達に同じように思い入れを込められるかというとそれは違う。
ハーツクライのお姉さんのエメラルドアイル、その娘のエメラルドリバー、その娘のナムラタマが今年デビューした。
デビュー戦は12頭立て、10番人気でしんがり負け。続く2戦目は15頭立ての14番人気。結果はしんがり負け。
こんなことをしていれば、ギャンブルとしては勝てるはずもない。
だけど、そんな買い方をしている。無理して血統を調べるつもりはなくても、たまたま知ってしまうと買ってしまうのです。
そんなナムラタマはJRAとしての登録が抹消されていました。地方に活路を見出そうとしているようです。(笠松みたいですね)
ここしばらく、このブログに登場するお馬さん達。
馬券でお世話になった馬か、その牝系に私が競馬に嵌っていたころに走っていた馬の孫やひ孫。
ニシノベースマンやニシノアモーレはニシノフラワーの孫(娘であるニシノマナムスメの産駒)。
あの頃の牝馬って、心に残る馬が多い。
シンコウラブリィやアドラーブル。
そして、サンエイサンキュー。
ニシノフラワーとほぼ同じ頃にデビューしたサンエイサンキューは1年半の間に17回出走している。その中には3連闘もある。
ニシノフラワーは1年半で10回走っている。
馬主さんの意向が強かった。でも、調教師もいるわけで全てが全て馬主さんの責任かどうかは私にはわからない。
調教助手もジョッキーも競馬新聞記者も巻き込んで、「サンエイサンキュー事件」と競馬史に残るようなこととなる。
彼女は17戦目の有馬記念で関係者が危惧した通り、骨折をしてしまった。競走馬にとって骨折は命取り。「予後不良という処置」がある。ここまで大きな故障が発生した場合、予後不良処置がとられることが普通だった。
簡単に言えば、安楽死処分。
彼女は楽になることも許されなかった。2年近い闘病の末、死因は死蔵麻痺。
なんだか、キーボードを打っていて辛くなってきた。これ以上興味のある人はサンエイサンキュー事件で検索してください。
残念ながら彼女の子供たち、孫たちがターフで駆ける姿を見ることはできない。
だけど、同期のライバルだった馬たちの血を受け継ぐ子供たちはターフで駆け廻り、私の財布にダメージを与え、私の心に潤しを与えてくれる。
願わくば、すべてのお馬さんとすべてのジョッキーが無事にゴールを駆け抜けて戻ってこれますように祈りつつ。
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